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べにーのDoc Hack

読んだら博めたり(読博)何かに毒を吐いたり(毒吐)する独白

『名探偵キャサリン』テレビ朝日

独白

www.tv-asahi.co.jp

 

一つ前の記事で、「本格ミステリ」について、どっかで聞いたような話を並べていますが、日本のミステリ事情でもっとも重要なのは、ひょっとしたら2時間サスペンスなのかもしれません。

今の若い方は、2時間サスペンスなんかご覧にならないのかもしれませんが、ときどき、「本格ミステリ」原作のものがあるんです(あ、いや、あの人とあの人が原作のものを考えると、半分くらいはそうなのかな……)。

大抵は残念な感じになってしまいますが……。

 

というわけで、本日の土曜ワイド劇場……じゃないのかもう、テレビ朝日のドラマスペシャル『名探偵キャサリン』を観ました。

朝ドラ『マッサン』のエリー役でおなじみの(といっても、私は朝ドラを見たことがありませんが)、シャーロット・ケイト・フォックスさんが、民放で初のドラマ主演、ということで一部で話題になっているかもしれません(どの辺り?)。

原作は山村美紗氏、それも密室トリックとして秀逸と名高い『花の棺』。

 

花の棺 (光文社文庫)

花の棺 (光文社文庫)

 

 

私ぐらいの年齢だと、この<名探偵キャサリン>シリーズでキャサリンを演じているのは、かたせ梨乃さん、という認識だと思いますが、原作ではアメリカ人なんです。

当時は、日本語がある程度できて、演技も期待できるアメリカ人女性を手配するのが難しかったのでしょう。

でも、さすがにギャップがね……。

しかし、シャーロット・ケイト・フォックスさんが演じる、それもガチ「本格ミステリ」ですから、期待しながら拝見したのです。

 

いや〜、思っているよりよかったです。

周りを固めた役者が豪華だったことももちろんありますが、かなり原作に近い雰囲気でした(原作だと、もうちょっとキャサリンは日本語できるイメージかもです)。

 あとは演出の問題かな……2時間サスペンスなんですから、もうちょっと露骨に、密室トリックに気づく描写があったほうがカタルシスを得やすかったのではないかと思います。

それも、「先入観のないアメリカ人の方がトリックを見破りやすい」という、原作者の狙いをきちんと伝えるような方向で……と、それこそ2時間ドラマじゃ無理か。

 

離れの茶室が密室になるのでが、別の茶室のトリックとごっちゃになっていて、ドラマを見て「ああ、そうだ、こっちだこっち!」と膝を打ってしまいました。

いや、山村美紗、すごいです。

 

有栖川有栖の密室大図鑑 (新潮文庫)

有栖川有栖の密室大図鑑 (新潮文庫)

 

 

↑こちらでも紹介されているくらい、日本を代表する密室です。

 

「また、このトリックが成立するためには、現場が[紙と木でできている]だけでは駄目で、引き戸になっていなくてはならない。」(p203)

 

ドラマで見ると、よりはっきりとわかりましたよ有栖川先生!

 

ま、この素晴らしい密室トリック云々よりも、シャーロット・ケイト・フォックスさんのプロモーションみたいになっちゃっていたのが残念……とそのくらいは言わせていただきましょうか……。