べにーのDoc Hack

読んだら博めたり(読博)何かに毒を吐いたり(毒吐)する独白

マットゥ

『国際NGO職員が国会前デモに参加して感じた「違和感」とは』

(THE PAGE 2015/10/10)

 

以下一部引用。

 

 

「9月19日、安保関連法が参議院本会議で成立した。法案審議中の国会前では連日反対派のデモが繰り広げられ、法案に反対する学生団体「SEALDs」の活動も注目を集めた。

 そんな中、アメリカなど国内外で社会変革運動に取り組んできた国際NGO職員の日本人男性も国会前デモに参加したが、その方法に違和感を覚えたという。長年海外で市民による社会変革運動を支援してきた男性が感じた「違和感」とは何か。その「違和感」から、日本の「市民運動」が抱える根本的な問題が見えてきた。

 

(略)

 

「安全保障上の重要性は理解できるが、(改憲という)正しい手順を踏まない今回の法案は許せなかった」との立場から、今回の安保関連法案には反対だった鈴木さん。自らプラカードを作り、国会前の抗議に参加した。しかし実際に国会前の抗議に参加してみると、「憲法守れ」というコールには賛同できても「安倍辞めろ」と言うコールには同調できず、強い違和感を覚えたという。

 「安倍首相を支持している訳ではありません。でも、この法案に対する抗議で言うことではないと思ったんです」。抗議参加後、鈴木さんが開いたNGOのイベントで出会った年配の男性が「あいつら無礼だよね」とつぶやいた。この言葉に、鈴木さんは共感したという。

 鈴木さんが違和感を持った理由は、国際NGOのスタッフとして多くの国の社会運動を見ていくうちに、社会変革には中道派を動かすことが不可欠だと知ったからだという。「国際協力のイベントに参加する学生の多くが、『デモが怖い』とか『デモをして意味があるのかな』と言っている。こうしたデモに参加しない人達に対するアプローチを考えないと、勝てるものも勝てないのではないか」と指摘する。

 「問題は、安保法案反対派が対話を求めていないところです。安倍政権が対話しない姿勢だからといって、自分も対話しない姿勢で良いのでしょうか。そのような姿勢で、公明党穏健派や自民党内にいる穏健派を、どのように切り崩すつもりなのだろうかと疑問に思った」

 

(略)

 

欧米の国際NGOの姿勢と日本の「市民運動」の違いは、「武器貿易条約」の成立過程によく現れた。1990年代に入り、冷戦後の旧東側諸国から自動小銃や弾薬などが大量にアフリカなどの途上国に流れ、紛争が多発したことを受けて、アムネスティなどの国際NGOは「コントロール・アームズ(武器管理)」というキャンペーンを展開。国際機関・各国政府に対して、武器輸出そのものを否定するのではなく、武器輸出を管理する規制をつくることで、闇市場や人権侵害国への武器流出を阻止するよう働きかけてきた。その20年にわたる運動の結果、2014年「武器貿易条約」が発効した。

 なぜ、日本の市民活動家は対話を拒むのか。鈴木さんは、日本の市民活動家の多くが政府や政治が嫌いなアナーキスト無政府主義者)で、政策決定者に働きかけるのではなく、例えば政府が関与しない「寄付運動」などの活動に邁進してしまいがちだと指摘する。「政府の人と話すことすら、悪徳なのではないか、交渉したら負けなのではないか、と思っている。ですが、政府と市民の間に立って双方の利益を調整し、交渉を進めることこそ、社会変革のために必要なことです」

 

(略)

 

一方で、安倍首相への嫌悪・憎悪の気持ちを隠さない抗議の姿勢は、対話につながらないと疑問を呈す。「異なる意見に対しては、対話をする前に遮断する、ブロックする。そのような姿勢は、社会の分断が進むだけではないでしょうか。アメリカではもっと異なる意見を持つ人同士が議論する。市民レベルの対話を進めるべきです」

 鈴木さんは、安保関連法に反対する人が「人権や民主主義の侵害」を主張するなら、シリアや中国で起きている人権侵害の問題に対しても同じように活動すべきなのではないかと問いかける。「もし、一部の陰謀論好きの人が言うように、安保法案が中国の不利益になるから反対しているのではないのならば、中国大使館前にも抗議に行くべきなのです。人権が普遍的であれば、人権侵害の主体者がどの色であろうと行動すべきです」

 

 

なんか非常にまっとうな意見だったので。

 

 

「法案に反対する学生団体「SEALDs」の活動も注目を集めた。」

 

注目するように報道されただけでしょう。

法案が成立した途端に注目されなくなるのってどういうことなの?

あ、『朝まで生テレビ』に出てましたっけ。

ニュースバリューが下がれば、どこも扱ってくれなくなるというだけで。

 

 

「しかし実際に国会前の抗議に参加してみると、「憲法守れ」というコールには賛同できても「安倍辞めろ」と言うコールには同調できず、強い違和感を覚えたという。

 「安倍首相を支持している訳ではありません。でも、この法案に対する抗議で言うことではないと思ったんです」」

 

まっとうな話です。

「反対」のための「反対」にしか思えないので、総理大臣がやめれば全部片付く、と思っているのです(あるいは、そう誘導しているのか)。

60年安保のときの運動家も、「岸信介やめろ」と言っていたかもしれませんが、岸信介がやめても安保が成立したら意味ないでしょう(実際、そうなりましたし)。

岸信介にしてみれば、自分が総理をやめて何となくうやむやになったけど、安保が通っちゃったからホクホクですよ。

 

 

「「問題は、安保法案反対派が対話を求めていないところです。安倍政権が対話しない姿勢だからといって、自分も対話しない姿勢で良いのでしょうか。そのような姿勢で、公明党穏健派や自民党内にいる穏健派を、どのように切り崩すつもりなのだろうかと疑問に思った」」

 

戦略はないんです。

「反対」のための「反対」だから。

学生はそれでいいと思いますけどね、ここから何を学ぶか、でしょうから。

でも大人はねぇ……。

 

 

「1990年代に入り、冷戦後の旧東側諸国から自動小銃や弾薬などが大量にアフリカなどの途上国に流れ、紛争が多発したことを受けて、アムネスティなどの国際NGOは「コントロール・アームズ(武器管理)」というキャンペーンを展開。国際機関・各国政府に対して、武器輸出そのものを否定するのではなく、武器輸出を管理する規制をつくることで、闇市場や人権侵害国への武器流出を阻止するよう働きかけてきた。その20年にわたる運動の結果、2014年「武器貿易条約」が発効した。」

 

こういう状況自体には疑問がないではないですが、ある程度の監視が成立するのなら、根絶は無理でも被害を抑えることは可能かもしれません。

 

 

「日本の市民活動家の多くが政府や政治が嫌いなアナーキスト無政府主義者)で、政策決定者に働きかけるのではなく、例えば政府が関与しない「寄付運動」などの活動に邁進してしまいがちだと指摘する。」

 

明治維新はシビルウォーではなかったですからね。

それを体感していないんです、日本人。

ロシア革命が次の狙い目だったんですが、既に日本は民衆革命の時代を通り過ぎていましたから。

だからね、みんなやってみたいんですよ、「市民革命」というやつを。

その味を知りたい、ただそれだけだと思います。

でもね、それで政府を打倒したところで、頭の中にあるのは錆び付いたマルクス主義くらいですから。

40年遅れてます。

 

 

「安保関連法に反対する人が「人権や民主主義の侵害」を主張するなら、シリアや中国で起きている人権侵害の問題に対しても同じように活動すべきなのではないかと問いかける。「もし、一部の陰謀論好きの人が言うように、安保法案が中国の不利益になるから反対しているのではないのならば、中国大使館前にも抗議に行くべきなのです。人権が普遍的であれば、人権侵害の主体者がどの色であろうと行動すべきです」」

 

仮に、「中国の不利益になるから反対しているのではない」のだとしても、連中はそんなことしませんよ。

天安門の話も、ウィグルの話も、お隣の国で障害者を塩田でこきつかってたって話も、ISISの話も、関係ないんですよ。

自分の遊び場じゃないから。

それだけのことだと私は思います。

落選運動をするらしいですけれど、それって自分たちの期待する候補者に入れることで、ネガティブキャンペーンを張ることじゃないですよね?

 

 

「一方で、安倍首相への嫌悪・憎悪の気持ちを隠さない抗議の姿勢は、対話につながらないと疑問を呈す。」

 

あ〜、ヘイトスピーチとかいう奴ですね。

「結局、お前らも同じじゃん」と言われるためにやっている、という。

あ、でも、狙いが社会の分断なのだとしたら大当たりですね。

で、目的が何なのか、という話です。

それで、どうしたいの、というのがねぇ……。

 

 

(元記事)

thepage.jp