べにーのDoc Hack

読んだら博めたり(読博)何かに毒を吐いたり(毒吐)する独白

真・偽・怪

『南京の登録、日本「無念」 日中関係に火種か 記憶遺産』

朝日新聞デジタル 2015/10/11)

 

以下一部引用。

 

 

「「平和」を設立理念に掲げるユネスコ国連教育科学文化機関)が、日中の戦争の記憶をめぐる摩擦の舞台となった。南京事件に関する「南京大虐殺の記録」の世界記憶遺産登録について、中国は自らの歴史観を国際社会に認めさせることを狙い、日本は阻止しようと再三働きかけた。今回の登録が、回復基調にある日中関係の新たな火種となる可能性もある。

(略)

中国の登録申請が明らかになった昨年6月以降、外務省はユネスコに、南京事件は日中間で様々な見解の違いがあると指摘。申請資料は中国の一方的な主張に基づいており、ユネスコの選考基準である完全性や真正性を満たさないとして懸念を伝えてきた。

 日本政府は、日中戦争のさなかに日本軍が起こした南京事件について「(1937年の)日本軍の南京入城後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない」としつつ、犠牲者数については「政府として認定することは困難」との立場だ。中国の国営新華社通信によれば、中国が申請した資料には、犠牲者数を30万人以上と記した南京軍事法廷の判決書が含まれている。登録されれば、中国が、ユネスコのお墨付きを得たとして政治利用すると懸念した。

 しかし、記憶遺産の審査制度が「壁」となった。世界遺産の場合、政府代表が参加する公開の場で審査され、関係国が意見表明する機会もある。一方、記憶遺産はユネスコ事務局長が任命した専門家が非公開で審査し、その結果を事務局長が事実上追認し、発表する。日本政府関係者は「そもそもユネスコには政治利用されることの問題意識が希薄だ」と指摘する。」

 

 

南京には「南京大虐殺記念館」というのがあるんですね。

 

 

○こちら===>>>

南京大虐殺紀念館 - Wikipedia

 

 

私、悪名高き(?)YM○Aのスイミングスクールに通っていた時期がありまして、その流れで小学校6年生の頃に中国に行ったことがあります。

できて2年しか経っていないここにも立ち寄りました(写真がどこかに転がっているはずですが)。

私はなーんにも考えていないアホな小学生でしたので、見せられるものは信じてしまいます(今でもそうですが)。

そんな子どもをあんなところに連れて行ってはいけませんよ。

簡単に信じますて(当時はインターネットなんかないです)。

しゃれこうべが積み重なっていたことと、「百人斬り」の新聞記事は憶えています。

戦争中ですから、何か非道な行いがあったことはおそらく否定できないでしょう。

かといって、それが件のように30万人超だったのかと言われると、今なら首をかしげます。

たかだか80年前に起こったことでさえ、残った記録が正確であるかどうかの判断は難しいですし、証言はなおさら信じがたいです。

おおよそ起こったであろうことは分析できるかもしれません(現代なので、資料は膨大になるでしょうから、それを付き合わせていくしかないです)。

結論ありきでは学問ではありませんし、歴史は誰かの魂の欠乏を埋めてくれるものでもありません。

できる限りの主観を排除して、なおかつ歴史家の主観というフィルターを通した、現代における妥当性のある解釈、といった程度のものでしょう。

だからこそ意味もあるのですが。

 

 

ところで、「ユネスコ記憶遺産」というのは、

 

 

○こちら===>>>

参考2 ユネスコ記憶遺産概要:文部科学省

 

 

↑によれば、

 

 

 「【参考】ユネスコ記憶遺産(Memory of the World: MOW)事業ユネスコにおける選定基準

 文化的価値を測定する絶対的基準は存在し得ないため、審査は比較に基づく相対的なものとなる。よって、登録簿に含むかどうかの判断は、案件毎に選定基準及びMOWガイドラインが規定する一般方針に照合する形で進めるが、これまでに認可、不認可となった他の推薦案件との関係も考慮する。

(1)真正性

 記憶遺産の本質や出所(複写、模写、偽造品でないか)の確認。

(2)世界的な重要性

 ユニーク(特有)で代替不可なものであり、その損失や悪化が人類の遺産にとって損害となるもの。長期間にわたり、又は、世界の特定の文化圏において多大な影響を及ぼしたもの。歴史上、プラス(正)又はマイナス(負)の影響力を持つものでなければならない。尚、世界的な重要性とは相対的概念であるため、以下の基準を一つ以上満たす必要がある。

  • 年代:
    各記憶遺産はそれぞれの時代を背景に創作されるものであり、絶対的な年代自体は重要性に関係しないが、特に、世界の危機的時期、文化・社会的に重要な時期などを喚起させるもの。また、新発見や特定の分野において草分けの存在であること。
  • 場所:
    記憶遺産が作成された場所は、重要性を決める主要な要素である。作成された場所自体が、記録により示される出来事や現象に対し重要な影響を及ぼす場合がある。
  • 人類:
    その作成に伴う社会的・文化的側面が、人間の行動、社会・産業・政治的発展に関する重要な部分を投影すること。重要な時代の潮流、変革、進展、退行などを捉え、主要人物や団体の影響力を反映するもの。
  • 題材・テーマ:
    自然科学、人文・社会科学、政治、イデオロギー、スポーツ及び芸術の分野において、歴史上又は知的な発展を示す題材であること。
  • 形式・様式:
    美的、様式、言語的な面において顕著な価値を有するもの。表現方法、習慣や媒体に関して典型的又は見本であるもの。すでに消失した又は消失しつつある被写体・様式のもの。

(3)その他

 希少性、完全性、又、保存のための管理計画の有無により、その記憶遺産の重要性が決められる。国際諮問委員会は、必要に応じて、上記基準を適用する際の運営指針を作成する。」

 

 

「(1)真正性

 記憶遺産の本質や出所(複写、模写、偽造品でないか)の確認。」

 

 

↑ということからすると、「内容は問題ではない」みたいですね。

南京大虐殺の記録」に価値はあるが、それはその内容によってではない、ということを誰かきちんと説明したほうがいいんじゃないでしょうか。

例えば、チャーチワード直筆の『謎のムー大陸』の原稿があったとして、これが「記憶遺産」に登録されたとしましょう。

だからといって、

 

 

ムー大陸は本当にあったんだ!!」

 

 

とはならんでしょう。

本物であれば、「偽書」でもかまわない、ということだと思いますが……世の中の認識は違っているのかな。

まあ、中国はそういう方向性に持っていきたいのがありありと見えますので、否定しておくことは大切だと思います。

 

 

「回復基調にある日中関係の新たな火種となる可能性」

 

 

朝日新聞ですからいいんですが、回復基調にありましたっけ?

隣国なんですから、警戒してりゃいいんですよ。

平時の外交ってのは、魑魅魍魎が跳梁跋扈、でしょう?

 

 

ところで、戦時の刀で「百人斬り」ってできるんでしょうか。

振るう側が達人だとして(人斬り浅右衛門ほどではないにしろ経験を積んでいる)、動かない捕虜に対して、おそらくは打ち首するのだと思うのですが、「百人斬り」……どこかで刃こぼれしますよね(最悪、折れるでしょう)。

物資にそれほど余裕のない日本軍が、敵地で、嬉々として必要もなく捕虜の首をはねて回る必要性がどこにあるのかがよくわかりません(機銃掃射したほうが早いし、それにしたって弾丸がもったいない……屍体の試し斬りくらいはしたかもしれませんけれど)。

戦時ですから、報道機関も不利な情報を垂れ流すわけにはいかなかったでしょう(その点、同情はします)。

行った方は戦犯で処刑されているようですが、新聞側も真実ではないと言っているようですし、「百人斬り」は信じがたいな、というのが今の私の判断です。

小学生の頃は、「すっげー」としか思っていませんでしたよ(ちゃんと記事は読んでいなかったので、完全に敵兵百人斬り殺したと思っていました)。

で、「なんで、日本は戦争に負けたんだろうなぁ……」とも思ったような気がします。

 

 

 

 

あ、あと、国連分担金で中国が騒いでいるのが、ちょっと面白かったです。

普通、常任理事国で費用負担するものちゃうんかい、って。

 

 

(元記事)

www.asahi.com