古代史妄想をブーストさせる高田崇史氏の<神の時空>シリーズ、今回は「厳島神社」です。
「厳島神社」には二度ほどご参拝させていただいております。
その島を舞台にした連続殺人事件(いつの頃からか、事件自体にはミステリ的な要素がなくなってしまっておりますが、そっちは毒草師におまかせするとして)。
今まで動かなかった高村皇が、ついに動き出します。
そして明かされるのは「市杵島姫命」の、怨霊としての側面。
私は古代史妄想派ですので、中世以降の歴史にはうといのですが、そういった歴史も記載されているので、「厳島神社」入門編としてもうってつけです。
これを持ってみんなで「宮島」へ行こうツアー、とかあったら面白いのにと思います。
「厳島神社」の参拝、一度は御山の魔境っぷりにはまってしまっていろいろなところが見られなかったし、二度目は「世界遺産劇場」だったのでうろうろできなかったし。
「厳島神社」だけでなく、周辺の寺社もしっかり見て回りたいなぁ、と思いました。
「義経は全軍に『水主を射よ』と命じたんです。それまでの合戦では、水主や舵取りなど、非戦闘員への攻撃はタブーでした。武士にあるまじき卑怯な戦法だったんです。いえ、これは当時だけではなく、現在もそうですよね。無防備な一般人を巻き込むな、というのが戦時における変わらぬ不文律です。戦いは、あくまでも兵士対兵士で行う。ですから、太平洋戦争時の東京大空襲も、広島・長崎への原爆投下も、ベトナム戦争も、そして無差別テロも、非常に激しく非難されて当然なわけです」
「義経はそのルールを、あっさりと破ったということ! っして、そのおかげで源氏は大勝し、平氏は滅亡した」
「はい」
「だからこそ平家の怨霊譚は長く語り継がれてきているの……」彩音は、思い切り顔をしかめた。「そんな作戦で滅亡させられてしまったから」(p144)
人間は往々にして法を破り、法を破られたことを非難し合うものです。
こればかりは、時代が変わってもいかんともしがたいのでしょうか……やっぱりガンダム・ファイトが必要か……(?)。