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べにーのDoc Hack

読んだら博めたり(読博)何かに毒を吐いたり(毒吐)する独白

『非Aの世界』A・E・ヴァン・ヴォークト

読書

 

非Aの世界【新版】 (創元SF文庫)

非Aの世界【新版】 (創元SF文庫)

 

 たまにはSFでも、と思い、タイトルは知っているのに著者名が出てこない名作の代表、『非Aの世界』を。

いや、新版だったもので。

我々世代で言えば、『成恵の世界』というあれがあれですが(?)。

 

 

あ、読んだことないですけど、このタイトルが、個人的には『NORIEが将軍?!』くらいインパクトがありまして。

 

 

 

こっちは高千穂さんですので、ガチなんですが。

あ、読んでないですけれど。

 

『非Aの世界』でした。

 

<機械>と呼ばれるモノが主催するゲームに参加するため、ギルバート・ゴッセンはそこにやってきた。

ゲームで優秀な成績をおさめたものは政府要職を約束され、優勝者は金星に行けるのだ。

そのゲームの最初の会合(ゲームに含まれない)に参加したゴッセンは、同席した人物から、「君が出身地だという場所には、ギルバート・ゴッセンという人物は存在しない」と告げられる。

しかも、死んだはずの妻パトリシアが生きているというのだ。

ゴッセンは嘘発見器にかかることを承諾し、その結果、彼は「ギルバート・ゴッセンではない」ということになった。

ゴッセンは会合から追放される。

急いでテレビ電話でパトリシアを呼び出してもらうと、確かに彼女は生きていて、しかも<機械>の宮殿にいるという。

訳のわからないゴッセンは、ゲーム参加者に用意されたホテルから追い出され、街を彷徨うことになった。

 

果たして<機械>とは何か、金星とは、ゴッセンは何者なのか。

 

様々な謎が冒頭から提示されるのですが、ほとんど説明がなく物語が進んでいきます(「非A」というのがどうやら「非アリストテレス」らしいことはわかります)。

独特の用語を、登場人物たちはさも当然であるかのように使います。

だんだん混乱してきます。

それでも、物語はなんとなく収束していくような、そうでないような、壮大なような、そうでないような、ふわふわした感じに囚われたままで、何と、終わります。

あ、いえ、それなりの説明はあるので、ぶつ切りの感じはしないのですが、「おいおい、ここで終わるのかよ」的な後味の悪さがあり、私が20歳若ければ叫んでいたことでしょう。

 

「■○×ーーー!!!」

 

それほど若くないもので。

読者を置いてけぼりに進んで行くものといったら、『新世紀エヴァンゲリオン』ですが、あんな感じでしょうか。

本来はそれが物語のあり方とも言える、「大いなる流れの中の一部分だけを切り取ったものを見せられている」感じ。

嫌いじゃないですが、もう一度味わいたいかと言われると……。

しかも続編があるらしい、と。

うーん、どうしよう……。

 

 

「「ラヴォアスールのことかい」ゴッセンは暗闇に向かって渋面をつくった。「あの人は何年か前に事故で死んだものとわたしは思っていた。彼を見たのは、いつだね」

「去年よ。車椅子に乗っていたわ」

ゴッセンは顔をしかめた。ほんの一瞬のあいだ、彼は、自分の記憶がまた自分を裏切るのではないかと思った。」(p27)

 

 

「非重力パラシュートは、それ全体が純然たる非A的思考の産物だった。」(p182)

 

 

ぱらぱらと読み返してみると、結構解決されているような気がしました。

SFならありかな。

でも続編はなぁ……。