べにーのDoc Hack

読んだら博めたり(読博)何かに毒を吐いたり(毒吐)する独白

夢純

『(社説)憲法70年 9条の理想を使いこなす』

朝日新聞デジタル 2017/5/4)

 

以下一部引用。

 

「(略)

専守防衛の堅持を

日本防衛のため一定の抑止力は必要だが、それだけで平和と安定が築けるわけではない。

米国が北朝鮮に軍事攻撃を仕掛ければ、反撃を受けるのは日本や韓国であり、ともに壊滅的な被害を受ける可能性がある。日米韓に中国、ロシアを巻き込んだ多国間の対話と、粘り強い外交交渉によって軟着陸をはかるしかない。

そこで地域の協調に力を尽くすことが日本の役割だ。そのためにも、専守防衛を揺るがしてはならない。

自衛隊はあくまで防衛に徹する「盾」となり、強力な打撃力を持つ米軍が「矛」の役割を果たす。この役割分担こそ、9条を生かす政治の知恵だ。

時に単独行動に走ろうとする米国と適切な距離を保ち、協調を促すため、日本が9条を持つ意義は大きい。

中国や韓国との関係を考えるときにも、他国を攻撃することはないという日本の意思が基礎になる。侵略と植民地支配の過去をもつ日本は、その歴史から逃れられない。

一方で、今年は国連平和維持活動(PKO)協力法制定から25年の節目でもある。

PKOを含め海外に派遣された自衛隊は、一発の銃弾も撃っていない。一人も殺さず、一人も殺されていない。

9条が自衛隊の海外での武力行使に歯止めをかけてきたことの効用だ。その結果、中東などで培われた日本の平和ブランドを大事にしたい。

紛争の起きた国の再建を手伝う「平和構築」は憲法前文の精神に沿う。日本も「地球貢献国家」として、自衛隊が参加できるPKO任務の幅を広げたい。朝日新聞憲法施行60年の社説で、そう主張した。

同時に、忘れてならない原則がある。自衛隊の活動は、あくまで9条の枠内で行われることだ。それを担保するPKO参加5原則を緩めてまで、自衛隊派遣を優先してはならない。」

 

相変わらず、順当に、「何言ってんの?」な新聞ですな。

 

自衛隊はあくまで防衛に徹する「盾」となり、強力な打撃力を持つ米軍が「矛」の役割を果たす。この役割分担こそ、9条を生かす政治の知恵だ。」

 

↑「盾」って、攻撃を受けるってことなんですけど。

分かってますかね。

で、後段で、

 

「PKOを含め海外に派遣された自衛隊は、一発の銃弾も撃っていない。一人も殺さず、一人も殺されていない。」

 

などとのたまう。

「盾」になるってことは、攻撃を受けるということで、攻撃を受けるということは、明らかに自衛隊に被害が出ますけど(無敵の「盾」だと思ってるの? 馬鹿なの?)。

それで反撃もするな、米軍に任せとけ、ってのは都合良すぎるのでは?

近代兵器の運用で「盾」オンリーなんてことがありえるんでしょうかね。

「攻防一体」が本来では?

 

 

「安全保障の文脈にとどまらない。戦前の軍国主義の体制ときっぱり決別し、個人の自由と人権が尊重される社会を支えてきたのも、9条だった。

これを改めれば、歴史的にも社会的にも、戦後日本はその「骨格」を失う。戦前の歴史への反省を否定する負のメッセージと国際社会から受け取られかねない。その損失はあまりにも大きい。」

 

軍国主義だから戦争したの?

じゃアメリカはなんなのよ。

国家体制と、戦争にいたるかどうかなんて別の話じゃないか。

 

「戦前の歴史への反省を否定する負のメッセージと国際社会から受け取られかねない。」

 

この国も大概甘えすぎですが、国際社会とやらも日本に甘えすぎなんじゃないのか、と思いますけど(朝日新聞の脳内にしか存在しない国際社会の可能性もありますが)。

日本が領土問題でやりあう可能性のあるのなんて、北の大国と眠れる龍と半島だけですよ。

それ以外の理由で、何か紛争になるような火種があると?

仮に第二次大戦について反省する必要があるとしたら、交戦国全部でしょ?

だからこそ、大規模な戦争はもう勘弁だってみんな思っているんであって、日本だけが反省してどうするんだか。

もちろん、そう思ってない国だってあるでしょう。

戦争は外交の一手段、と考えるかどうか、ですよ。

 

「9条は日本の資産である。

そこに込められた理想を、現実のなかで十分に使いこなす道こそ、日本の平和と社会の安定を確かなものにする。」

 

理想は使いこなすものではなく、目指すものです。

存在しない理想を使いこなす、なんて詭弁がどこに通用するのやら。

 

朝日に限らず、読売でも産経でも同じですが、マスコミが「公器」などと自認して、さも権力に立ち向かっているかのような演出をする、というのはそろそろ勘弁願えないですかね。

「権力」に立ち向かうんじゃなくて、そのときどきの「政権」と敵対するか味方するか、ってだけでしょ?

常に「反権力」だったら、みんな同じこと述べてないとおかしいでしょ?

そうじゃないってことは、「政権」に近い意見なのか、反対なのか、ってのをそれぞれ表明しあっているだけでしょ?

それを総称して「権力の監視者」なんてちゃんちゃらおかしいですわ。

自分たちには監視が必要ない、自浄能力がある、ってどんだけ自意識過剰なのやら。

政治家は選挙で落とせるけれど、マスコミは国民に選ばれていませんからねえ。

その辺りを見直した方がいいと思いますが、まあ、権力というのは甘い味がするみたいなのでね……自分たちが権力者だという自覚がないことほど恐ろしいことはないですわ。

いや、自覚ありなんでしょうけれど、それを糊塗しているだけですかね。

 

 

(元記事)

(社説)憲法70年 9条の理想を使いこなす:朝日新聞デジタル