もうしかたがないんです、好きなんだから。
あ、いえ、高田崇史先生の作品のことです。
『QED』シリーズを読んで、日本古代史に妄想するようになってからは、続く『カンナ』シリーズも楽しみ、新シリーズ『神の時空』も面白い。
『神の時空』シリーズは、清和源氏の血を引く辻曲家の兄妹が活躍する、不思議ミステリです。
不思議と書いたのは、『QED』シリーズや『カンナ』シリーズと同じ線上に位置しながらも、より「伝奇もの」に近づいているからで。
だから不思議です。
何でもあり、です。
現実に起こる事件はもう、どっちでもいいかな、と『QED』の頃から思っていましたが(そちらの路線は『毒草師』シリーズに受け継がれています)、ますますそんな勢いです。
今回は、サブタイトルの通り、「大神神社」が主人公です。
まだ行っていないんですよね、「大神神社」。
奈良はそれほど遠くないので、近いうちに行きたいのですが、今年は休みがとれたら北陸を攻めたいしなぁ……。
「大神神社」は苧環(おだまき)型の神話が残るところで(丹塗り矢型もあります)、
「見知らぬ男が娘のもとに毎晩通ってくるようになり、その正体を知るべく衣などに糸を通した縫い針をさし、翌日その糸を頼りに行方を探ると正体が知れる」
というパターンの奴です(針糸型とも)。
- 作者: 大林太良,吉田敦彦,青木周平,西条勉,寺田恵子,神田典城,佐佐木隆
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 1997/06
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
(※こちらより引用)
「大神神社」の祭神といえば「大物主神」なのですが、この神の正体を探るのが本作です。
私は妄想好きなので、神社伝承学という怪しげなジャンルも好んでいますが、実際にそういったアプローチで歴史的な事実が解明されることはないでしょう。
ですから、高田崇史先生の作品も、「小説」であることが重要なんだと思います(あ、歴史から逃げている、という意味ではないです)。
黙忌一郎も言っていました。
「探偵小説でしか語れぬ真実もあるんだぜ」、と。
え、知りませんか、黙忌一郎?
ミステリ・オペラ―宿命城殺人事件 (ハヤカワ・ミステリワールド)
- 作者: 山田正紀
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2001/04
- メディア: 単行本
- クリック: 39回
- この商品を含むブログ (38件) を見る
↑の主人公です。
私も妄想に磨きをかけなければいけませんが、高田崇史先生の作品に依拠するところが大きいので、今後とも応援しています。
「ニャンゴォッ!」
「それなら」巳雨が通訳した。「今ここで噛み殺されても一緒だろうって」
「どっ、どうしておまえはそんなことを言うんじゃ!」(p78)
「ニャンゴ」と言っているのは、グリという猫です。
忍犬もよかったですが、やっぱり猫ですよねぇ(謎)。