(ロイター 2015/7/22)
以下一部引用。
「英バーミンガム大学は22日、同大学の図書館に保管されていたイスラム教の聖典コーランの断片が世界最古の写本の1つで、イスラム教預言者ムハンマドと面識のあるものが書いた可能性もあると明らかにした。
この断片は長い間、誤って7世紀終盤のものと一緒にまとめられていたが、95.4%の確率で正確とされる放射性炭素年代測定法を用いて調べたところ、568─645年のものだと分かったという。
ムハンマドが生きていたのは570─632年ごろとされ、時期が重なる。」
「啓典の民」である、ユダヤ教徒、キリスト教徒、イスラム教徒にとって、「旧約聖書」は共有して用いられる聖典ですね。
ユダヤ教から派生しているキリスト教には「新約聖書」が、イスラム教には「コーラン(クルアーン)」があります。
共通点は、それぞれの創始者の言動や説教が掲載されていることです。
現代の新興宗教を考えるとわかりますが、聖典というものは、教祖が生きている間に発表されるものです。
その方が説得力があるからですね、きっと。
キリスト教の「新約聖書」がそうではないのは、原始キリスト教集団というものが、実際にはユダヤ教の一派だったという自覚があったからです(多分)。
イエスの死後にその言動や預言がまとめられ「新約聖書」になりました。
一方イスラム教には、あるいはムハンマドには、自分たちがユダヤ教だという意識はなかったような気がします。
なので、ムハンマドと同時代の聖典が見つかっても、それほど不思議ではないのです。
逆に、イエスと同時代の「新約聖書」が出てきたら、それは偽物です。
歴史は面白い。
(元記事)