べにーのDoc Hack

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the world on fire

『佐野氏教授務める多摩美大、サントリー模倣問題で事情聴取へ』

(スポーツ報知 2015/8/17)

 

以下一部引用。

 

 

「2020年東京五輪公式エンブレムを制作したデザイナーの佐野研二郎氏(43)の出身校で、現在教授を務める多摩美大(東京都世田谷区)が、サントリーのキャンペーン商品にデザインの模倣があった件について近日中にも佐野氏に事情を聴く予定であることが17日、分かった。

 

同大は先週まで夏季休業。その間に、サントリーの模倣問題が浮上したことから、報道されている以上のことは把握できていないという。同大の総務課によると、佐野氏とはまだ連絡が取れてはいないが「エンブレムの問題に関しては、東京五輪組織委員会での会見の通りで問題はないと思いますが、サントリーの件については、改めて事情を聞くことになると思います」と明かした。」

 

 

 

うーん……うーん……うーん……。

多摩美大としては、なんらかのアクションを起こしておかなければ、学生に対して申し開きが立たないでしょうから当然かと。

ただ、「エンブレムの問題に関しては、東京五輪組織委員会での会見の通りで問題はないと思います」という見解はどうなのでしょうか。

 

 

○こちら===>>>

thepage.jp

 

 

↑こちらの記事から一部引用。

 

「佐野氏の会見については「同じデザイナーとして、ドビ氏への敬意やその心情への配慮が十分伝わってこなかった」点を残念に感じたといいます。

 

「満員電車の中でうっかり他人の足を踏んでしまったのに、法的責任はないと居直って謝ろうとしない、そんな印象も受けました。ドビ氏については、もともと著名なデザイナーではないということもあり、『売名行為ではないか』と揶揄(やゆ)する声もあります。しかし、私は、劇場ロゴは洗練された美しい作品と感じましたし、このデザインが劇場という芸術空間の顔として現実に使用されているという事実には、もっと敬意が払われてよいと思います」(桑野弁護士)

 

確かに、法律論はともかく、両者が構図などの点で「似ている」という印象を受けることは否定できません。桑野弁護士もそのように感じるといいます。ドビ氏が五輪エンブレムを見て、自身がデザインした劇場ロゴと似ていると感じたことも、無理はないでしょう。今回の問題に対する著作権についての法的分析から考えると、確かに、ドビ氏が勝訴する見込みは少ないといえます。しかし、クリエイターが「自分の作品が模倣された」と感じた場合、どのような理由で似た作品ができたのか、その創作過程を知りたいと考えることが自然であり、相手がその説明をしないと「やはり模倣したからできないのではないか」と疑ってしまうものだと、桑野弁護士は指摘します。

 

「佐野氏が、法律論を離れて、創作過程について試行錯誤の内容も含めて丁寧に説明し、その上でドビ氏に対する敬意と謝意を表明しておけば、ドビ氏の納得と理解も得られたのではないでしょうか。才能ある2人の芸術家が、結果の見えている裁判で本来の活動時間を費消するとしたら、法律家として非常に残念に思うところです」(桑野弁護士)」

 

 

この弁護士さんのおっしゃっている意見に概ね賛成です。

個人的な印象では、会見での物言いが明らかにまずいです。

先発のデザインに対する敬意がひとかけらもない。

そして、これ以降に出てくる、たとえばサントリーのトートバッグに関係した(盗用された)デザイナーの印象は、すべてこの最初の会見が基準になります。

比較対象が与えられているのですから、それを上回る印象を残すことは容易です。

それが、さらに彼の立場をまずくすることでしょう。

 

 

で、

 

 

○こちら===>>>

nlab.itmedia.co.jp

 

 

↑こんなことされちゃうわけです。

いや、このデザインが優れているのかどうかは、もともとのエンブレムが優れているかどうかもわからない私にはなんとも言いようがありません(友人のデザイナーが、「俺なら、季節感のないデザインは落とす」と言っていましたが、確かに夏っぽくはあります)。

ただ、すでに世界的に燃え上がっているんです。

 

 

挙げ句の果てに、

 

 

○こちら===>>>

sportsspecial.mainichi.jp

 

 

↑の記事によれば、

 

 

「大会組織委員会は17日、「我々の詳細な説明に耳を傾けようともせず、自らの主張を対外発信し続けたうえ、提訴する道を選んだ態度は公共団体としての振る舞いとしては受け入れがたい」と、非難する声明を公表した。」

 

 

だそうで。

 

 

バカじゃないの?

 

 

燃料投下してどうするんでしょうね。

「我々の詳細な説明に耳を傾けようともせず、自らの主張を対外発信し続けたうえ、提訴する道を選んだ態度は公共団体としての振る舞いとしては受け入れがたい」……こんなの、ほとんど恫喝じゃないですか。

「我々の詳細な説明に耳を傾けようともせず、自らの主張を対外発信し続けた」……この部分にいたっては、相手も同じだよ。

 

 

私は、リエージュ劇場のロゴと、五輪エンブレムが似ていると思っています。

そして、先発のデザインには敬意を払いつつ、どのようにしてデザインができあがったのかを説明するほうが、結果的にはwin-winで終わると思っていました。

でも、これはもう、行くところまで行かないと終わらない気がします。

次から次へとけちがつきますね、五輪。

だからトルコに渡しておけば……。

 

 

(元記事)

www.hochi.co.jp