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夢の楽隠居

『【衝撃事件の核心】 川崎・老人ホーム連続転落死 暴行、虐待、窃盗も次々と発覚 施設で何が起こっていたのか?」

(産経ニュース 2015/9/19)

 

以下一部引用。

 

 

「80~90代の入所者3人が相次いで転落死した川崎市幸区の介護付き有料老人ホーム。市は「短期間に3件も起きたのはあまりに不自然」とするが、同施設では、他にも暴行や窃盗などの事件が相次いでいたことが明らかになった。問題発覚後、入所者の家族の話からは、他にもあざをつくったり、亡くなった状況に疑問を抱くような事案、不適切な問題があったことが浮かび上がる。

 

(略)

 

県警は事件と事故の両面から経緯を慎重に調べているが、市の高齢者事業推進課の関川真一課長は「昨年まで少なくとも数年間、高齢者が入る(他の)市内の施設で転落死はない」としており、同施設の“特異性”が目立つ形となっている。

 

(略)

 

市高齢者事業推進課に電話し、当時の状況を調査してくれるよう頼んだが、「時間はかかる。何か分かったら電話します」と言われたのみ。家族に寄り添うべき行政の「後手後手ぶり」は、真実を求める気持ちをさらに募らせている。

 

(略)

 

ところが、こうした相次ぐ不祥事は、同施設だけに止まらなくなってきている。3人の転落死発覚後、事業者が同じ横浜市と東京都三鷹市の別施設で、入所者が負傷して虐待が疑われたり、職員が入所者に暴行するケースがあったことが明らかになった。

さらに、事業者の親会社が大阪府豊中市で運営する施設では、30代の男性職員が入所している70代女性の首を絞めるなどの虐待をし、負傷させていたことが判明した。

 

(略)

 

「施設側には人質を取られている感じ。文句を言うと何をされるか分からないという弱みがあるから、あまり強く言えない。新しい場所に入所するときには、部屋にカメラを設置しようと思っている」」

 

 

亡くなられたみなさんのご冥福をお祈りいたします。

 

 

この事故が、事件だった、とは考えづらい、と思います(つまり、故意の殺人ではない)。

ただ、職務怠慢や職務放棄に近いものがあったのではないか、と想像します(未必の故意、まではいきませんが、近いものが)。

許しがたいです。

 

 

「施設側には人質を取られている感じ。文句を言うと何をされるか分からないという弱みがあるから、あまり強く言えない。新しい場所に入所するときには、部屋にカメラを設置しようと思っている」」」

 

 

↑これがご家族にとっての本音でしょう。

よくわかります。

だからもう、いっそカメラを設置してしまえばいいと思うんですよね。

監視カメラ容認派です(死角がないようにしないといけませんが)。

抑止ではなく、証拠としての意味しかないかもしれませんけれど。

 

 

急激に事業を拡大している事業所は、人手不足に陥っている可能性があります。

介護の環境が整っていないかもしれない、と考えていただいた方がいいかもしれません。

 

 

頻繁な面会を断る事業所も注意が必要です。

が、きちんと面会ができる事業所でも、事故などが起こっても平然としているところはあります。

 

 

どんなに介護が整ったところでも、入居されるご本人と全く合わない可能性があります。

人との相性は、サービス提供側が努力して埋めるものですが、限界もあることをご理解ください。

 

 

慢性的な人手不足が叫ばれている中、いかにして職員のモチベーションを高く保っていけばいいのか、事業所側が苦心していることも確かです。

資格を整備しても、対人援助ですから、それだけではなんとも立ち行きません。

加えて、肉体労働の側面もあります。

介護報酬の減額で、小規模な事業所が閉鎖されていくと、結局はスケールメリットを持つ大規模事業所だけが生き残り、過集中して、質の担保が行われない……ということになるのかもしれません。

「介護の社会化」というのは、現役世代の負担をなんとか減らし、経済活動に加わってもらうことも目的としているわけですが、そのしわ寄せがどこに行くかといえば、高齢者か若者か、のどちらかです。

 

 

我々が老人になったときは、ほぼ間違いなく、「今より悪い状況だ」になっていることでしょう。

そういう覚悟で老いていく必要があります。

 

 

(元記事)

www.sankei.com