新書続きです。
こちらは、古代〜近代にかけての神道について、 一問一答形式で記述されています。
特に眼目は中世以降で、どんな思想でもそうなのですが、ある一定のラインを超えて受け継がれてくると、非常に複雑化していきます。
これは別に日本だから、というわけではなく、キリスト教の歴史をざっとたどっても似たようなものです。
原始キリスト教がユダヤ教の一派(急進派とも言えます)だったことは疑いありませんが、それが弾圧されて地下に潜り、それからローマ帝国の国教になることでおおっぴらに。
そうするとすぐに内部で教派対立ですわ(アリウス派とアタナシウス派が一番有名ですかな)。
保守派と急進派が争っている間に、布教先では土地土地の信仰を汲み取って勝手な信仰対象が増えていくし(本来一神教であるはずのキリスト教で聖人崇拝っておかしいんですが、まぁそれはそれで)。
挙げ句の果てに、東西分裂(カトリックと正教)。
停滞すると、アラブに逃げていたアリストテレスとかの教えを西洋に再輸入してみたり。
西側で新旧対決が起こったり。
本書では、中世の神仏習合から、独自の神道体系を生み出していった諸派、そして江戸時代の国学へと続き、最終的に国家神道まで語られます。
これが概説書としては非常に読みやすくてよろしい。
私も、中世以降の神道各派については無知に等しいので、これを端緒に勉強していきたいと思います。
ザ・入門編としてはすばらしいです。