べにーのDoc Hack

読んだら博めたり(読博)何かに毒を吐いたり(毒吐)する独白

『死なない生徒殺人事件』野﨑まど

 

 

そうか、さきは「﨑」こっちでしたか……一発で出ないのですみません野﨑さん。

そんな野﨑さんも結構読んでるなぁ……最近では、何やらアニメの原案もやってみえるらしく、ポスターにお名前を拝見しました。

 

本作は、女子校に赴任した若い先生が、「学校に永遠の命を持った生徒がいる」という噂があることを知り、あまつさえ自称「永遠の命を持っています」な生徒が現れて、そしてその生徒が殺されてしまう、というお話です。

 

 

うーん……いや、ネタとしては途中でオチが予想できてしまうので、本格の枠をはみ出した形でやろう、と思うとちょっと弱いのかな、という気がします(ライトノベル風なので、登場人物も多くないですし)。

ただ、エンタメ小説としては抜群に面白いです。

この枚数で、これだけのネタを仕込んで、キャラを立たせて(うるさいけど)、きちんとひっくり返す、という技巧といい、表現、間合い、濃淡のバランスなんかは非常に丁寧で、何かしらのお手本のようにさえ感じます。

うーん……そうですね、やっぱり最初に読んだ『【映】アムリタ』の破壊力が結構衝撃的だったので、それに比べてしまうと、という個人的な捉え方なのかもしれません。

方向性は西尾維新さんと近いけれど、発露の仕方が違っているような感じ(あ、私、もう10年近く西尾さんの小説読んでないですけどね)。

 

 

 

「「先生は、教育の限界ってお解りになりますか?」

「教育の、限界ですか?」

突拍子もない質問に面食らってしまう。」