死なない生徒殺人事件―識別組子とさまよえる不死 (メディアワークス文庫)
- 作者: 野崎まど
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/10/23
- メディア: 文庫
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そうか、さきは「﨑」こっちでしたか……一発で出ないのですみません野﨑さん。
そんな野﨑さんも結構読んでるなぁ……最近では、何やらアニメの原案もやってみえるらしく、ポスターにお名前を拝見しました。
本作は、女子校に赴任した若い先生が、「学校に永遠の命を持った生徒がいる」という噂があることを知り、あまつさえ自称「永遠の命を持っています」な生徒が現れて、そしてその生徒が殺されてしまう、というお話です。
うーん……いや、ネタとしては途中でオチが予想できてしまうので、本格の枠をはみ出した形でやろう、と思うとちょっと弱いのかな、という気がします(ライトノベル風なので、登場人物も多くないですし)。
ただ、エンタメ小説としては抜群に面白いです。
この枚数で、これだけのネタを仕込んで、キャラを立たせて(うるさいけど)、きちんとひっくり返す、という技巧といい、表現、間合い、濃淡のバランスなんかは非常に丁寧で、何かしらのお手本のようにさえ感じます。
うーん……そうですね、やっぱり最初に読んだ『【映】アムリタ』の破壊力が結構衝撃的だったので、それに比べてしまうと、という個人的な捉え方なのかもしれません。
方向性は西尾維新さんと近いけれど、発露の仕方が違っているような感じ(あ、私、もう10年近く西尾さんの小説読んでないですけどね)。
「「先生は、教育の限界ってお解りになりますか?」
「教育の、限界ですか?」
突拍子もない質問に面食らってしまう。」