べにーのDoc Hack

読んだら博めたり(読博)何かに毒を吐いたり(毒吐)する独白

断片

うーん……最初にBABYMETALさんからのLINEの通知がきたときに、文章が英語だったからよくわからなくて、「ああ、そうか、ホールズワースを追いかけるためにメタルからしばしお離れになるのか、ちょっと寂しいな」くらいだったんですが、何か違う、と思ってTwitter開いたら、嘘でしょ、としか思えなくて。

 

世界中で何万人もの人が書いていると思うのですが、テキスト派の自分も結局何か書かずにいられないです。

 

無人島に一枚だけCDを持っていくなら、という質問には答えの出せない私ですが、今後一組みのアーティストしか聞けないとしたら誰、という質問に、迷いなく「坂本真綾」と答えられるだけのファンを自認しています。だから、今後そんな風に応援できる人は出てこないだろうな、と思っていたら、昨年BABYMETALさんに出会いました。メタラーの端っこに今も腰掛けているつもりだったので、きっとこれは神様からのご褒美なのだろう、と出会いに感謝しました。多くの人がそうだと思うのですが、そこから神バンドの存在を知りまして、昨年はもうBABYMETALさんファミリーでてんこもりな1年でした(そんな年は、もうないと思います)。大村孝佳さんを知り、BOHさんを知り、青山英樹さんを知り、前田遊野さんを知り、Ledaさんを知り、TOKIさんを知り、久世敦史さんを知り(コンチェルトムーンは知っていたけど)、さくら学院さんを知り……見向きもしなかったTwitterを始めたら、BOHさんと佐野康夫さんが『ワルキューレはとまらない』で共演していて、堂島孝平さんの曲をプレイしていて、坂本真綾(様)は堂島孝平さんの曲を歌うって話で、和楽器バンドさんも好きで、鈴華ゆう子さんのソロの曲でプレイしているのがLedaさんと青山さんとShoeiさんで、ああ何だろう、一周回って好きな人たちが全部つながった、という妙な満足感を得て、ギターをもう一回練習しよう、少しでもいいから上手になりたい、とHidenoriさんの動画を見つけて、検索していたら生放送があって、ここでもか!みたいに思って。

 

私、ASD系で、場面に応じてマインドセットを作るのが結構得意なので、ということはいわゆる「本当の自分」なんてものは存在していないと思っていて、お知らせを聞いた翌日も、仕事用のマインドセットで出かけて、でも何かずっと頭の端っこで仮バンドさんの「Chuku」が鳴っていて、わりと沈んでいるな、と自覚したりして、それでも、今日を普通にやらないと、と過ごして、日常に、仕事というルーティーンに感謝して、いや違うな単純に年をとったからなのかもしれないな、と思い、それにしてはこんなに動揺するものか若造が、とも思い、ひょっとすると「本当の自分」というか、核となる自分があるのかもしれない、と思い。

 

いつか、BABYMETALさんがメタルレジスタンスを完遂されたとしても、きっとこの人のギターをずっと応援するんだろうな、って何となく思っていて。

 

職人さんって基本「◯◯バカ」だと思うのです。私のような中途半端な人間は、結局バカになれずに中途半端なまま終わっていくんです。例えば、何か大きな災害が起きたときとか、世の中に影響力のある「◯◯バカ」な人が行う慈善的なことって、すごく意味があるんだと思うんですが、そこには「◯◯バカ」としてのバックボーンがある、「俺たちには、これしかできないんだ」っていうどうしようもない思いがあるからこそ、だとも思います。そんな人たちがバカを貫き通そう、とするところに、私は勇気をもらったりするんです。

 

優れた化学反応を巻き起こす人間関係というのは、これ以上ないくらいに噛み合ったパズルみたいなもので、もしピースが欠けてしまうと、そこに嵌るものはもう存在しない。他のピースでは埋められない、だから形が変わってしまうし、崩壊してしまう。いろいろなものが、歩みを止めてしまってもしかたがない。簡単に乗り越えられない。応援する人間は、新しくなったものを、同じように応援することがきっとできない。新しいものを、果たして愛せる、と簡単に言えるのか。何も責めることはできない。

 

急にいなくなっちゃうとね、何か不思議な感じですよね。そんな経験、あります。

 

ファン、って何ができるんでしょうね。結構真剣に考えたんですが、何も浮かんでこないんですよね。だって、ご家族を支えるのは、たくさんの友人や関係者の人たちで、私は直接お話ししたこともなければ生徒でもないし、たった1年しか知らない、超にわかファンなんです、何ができるんでしょう。

 

もし無人島にDVDを1枚だけ持っていくとしたら、って聞かれたら、考えに考えて、大村さんの『Cerberus』についていたやつを選ぶと思います。やってる曲に対して、あんなに楽しそうに演奏されているギャップがもう幸せすぎて。

 

結局、著作とか教則本を買うことにしました。印税、ご家族にいくかなあ、と。私は、プロであり、ギタリストという部分でのファンだったので、お仕事を通してしか貢献できないと思うのです。でも、密林のマケプレでプレミア価格になっていて、「××野郎どもめ」と中指立てそうになりました。これも資本主義、致し方ない。古本にプレミアつけてたら、もう印税は入っているので、私は買わない絶対買わない(増刷してください)。

 

1年の間に5回のBABYMETALさんのステージ、サマソニ含めたら6回、生で拝見できたって、すごく幸せでした。DVD買って、4年分くらいを1年に圧縮して拝見して、すごい充実していました。変だな、こんなにもファンになっていたなんて自覚がなかったです。いつかスナッパー7を買うんだ、なんて本気で思うようになったりして、いいおっさんなのに。

 

昨日、地元で佐野康夫さんがメンバーになっているグループのライブがある、ということで、何か引きずるようにしながらも、約束していたこともあって、行ってきました(そのレビュー、書けるかな)。楽しかった。音楽って楽しい。こんな楽しいものを、たくさんたくさんいただいたんだ、と思ったら、ようやくありがとうございました、って思えました。にわかファンですけど。

 

一つだけ、悪気はないと思うのですが、ライブ◯アニュースの見出しに、「BABYMETALの元ギタリスト」って書いてあって、「ふざけんな、BABYMETALにギタリストはいないし、元ってなんだ、小神様はこれからもずっと神バンドの一員だ」と怒りが沸騰しました。ごめんなさい、にわかなのに。

 

まだ聴けないな……まだ見れないな……TRICKBOXをiTunesストアで見つけて、CD派なのに狂喜してダウンロードしたのが先週です……去年の最高の1枚は仮バンドさんでした……また普通に、ファンとして生きていきます。