わりと最近出た本。
オリンピックを控えていて、あの騒ぎですので、今一度復習、という感じでお隣のことを。
帯は結構刺激的なことが書かれていますな。
いつだったかな、『そこまで言って委員会』で、北朝鮮の冬季五輪参加が決まったときに、スポーツジャーナリストの玉木氏が、「五輪はスポーツの祭典であるが、平和の祭典でもある。その時点で、政治的なもの」(大意)といったことをおっしゃっており、目からウロコが落ちました。
そうか、つかの間の平和を実現させるための装置でもあるのか、と。
そう考えると、北朝鮮が参加することに対しての違和感は、わりと少なくなりました。
ああ、いえ、今の韓国の政権の狙いを考えると、いい口実を見つけたな、と(玉木氏が裏付けしている、ということではないです)。
もっとも、そのために競技上のルールまでいじるのだとしたらふざけるなですが(ボイコットしてもいいくらいですわ)。
さすがに、さすがのIOCもそこまで○○ではなかったようで。
本書でも語られているのですが、今の韓国の大統領は基本的に北シンパだと思われます。
ということは、表面上はどうだとしても、最終的に北に利することならなんでもやってのける、と思っていたほうがいいかと。
五輪を利用するくらいわけないでしょうし、結果として日米を韓国から引き離すことができれば、遺憾だなんだと言いながらほくそ笑んでいそうです。
日本政府としてどうなのかは知りませんが、個人的に、国境を接している国というのは、潜在的に敵国(強すぎる言葉だとすれば、利害が対立しやすい国とでも書きましょうか)だと考えています。
だから、緊張状態が高まらないように、様々な外交手段をとるのでしょう。
軍事同盟を結んでいるならまだしも(それでも油断はしてはいけませんが)、そうでない国に対する警戒を怠るわけにはいきません。
大陸といい、半島といい、何しろ詭道がお得意ですから。
あと、プロパガンダ。
国家的なイメージ戦略というのは、言い方を変えれば対外的なプロパガンダですから、国に利することをやるわけです。
で、そのイメージからその国自体を分かったつもりになるのですが、作られたイメージだけで判断することがいかに危険か、ということは知っておいたほうがいいかと。
日本の場合はですね、推しているイメージと、実際に体験するイメージが、あんまり齟齬がない、というなかなかに稀有な国でして、それは建前を重んじるという国民性にもよるのかと思いますが、どの範囲までなのかはともかく、お客様として扱うのが、実は案外得意なんじゃないかと思います(世界の果てですしね)。
なんかですね、またKポップがどうとか、韓国の文化がどうとか、って話がよくニュースになっていますが、文化でその国の本質は見えてきません……いや見えてきますけどね、その部分が「自分の好み」に適合しているからといって、国自体がそうである、というのは錯覚です(もちろん、国自体も好きになる人はいらっしゃるでしょうけど)。
レニ・リーフェンシュタールの映画の芸術性についてどう感じるか、とナチスの協力者であったという事実についてどう考えるか、は別の文脈です。
Kポップが好き、ということ自体は嗜好の問題で、私はなんら興味はありませんが、大好きな人もいるということは理解できます。
そこから、韓国に行ってみよう、ということもまあ理解できます。
そこで思考停止するよりは、そこから踏み込んでいろいろと調べる、ということが重要だと思います。
もちろん、この本が「嫌韓」とカテゴライズされている(のかな?)ことが気に入らなければ、そうでない本を読めばいいと思いますし、あちらの新聞報道、統計資料などを調べるのもいいでしょう(ただし、どの国でも統計にはマジックが使われている可能性がありますから、ちゃんとどのような統計か、まで調べないといけませんけれども)。
外務省も警戒するように行っていますが、犯罪率が日本に比べると高いです(それも、統計上の数字だけです……それでもヨーロッパよりましだったりしたりしますけど)。
ぼったくりは有名です(韓国内でも批判が出るくらいです)。
もし行くつもりがあるのであれば、冬季五輪の会場の環境についてもきちんと調べておきましょう(日本の旅行会社が手配している、ということで油断をしないように)。
下手に謝らないこと(相手を下に見たら、自分の言い分が何でも通ると思っているらしいです)。
警察も信用できないので、日本大使館に行くこと(平昌じゃ難しいか……)。
とにかく、お気をつけて、としか言えません。
選手のみなさんも、大禍なく競技を終えられることを。
「室谷 ところが曲者は「自主」です。韓国中で「自主」は絶対的なプラスイメージの言葉なのです。それで、盧武鉉後の保守政権は韓国軍の力が在韓米軍に追いついた時に返還してもらおうとお茶を濁した。事実上、「返してくれなくていいです」ということです。文在寅政権は盧武鉉の後継政権ですから「返せ」です。それは「独立国として当然」といった論法ですから、それなりの指示がある。しかし言葉の遊びの次元から離れると、文在寅の支持者まで「アメリカに守ってもらわなくてはならない」となる。不思議な国・韓国の一側面です。」(p62)
「(略)そのときは済州島から日本に大量に韓国人が来ているわけです。ボート・ピープルとして日本に上陸したのです。「人道的に保護すべき難民」とはいえ、この時のボート・ピープルには南朝鮮労働党の党員やシンパも潜り込んでいたわけです。その人脈は、日本の左翼政党や左翼組織に食い込み、今日に至っている。今も彼らに揺り動かされている政党や政治組織が日本にはある。しっぽがずっと残っているわけです。
ボート・ピープルとして、日本社会に居住の地を確保した彼らの一部が、いつのまにか「強制連行されてきた朝鮮人の子孫だ」と名乗る。そして、彼らに本当に同情しているのか、あるいは嘘だと知りつつ、自分たちの活動にしているのか、いわゆる反日日本人がいる。」(p92)
「(略)私はその見方は違うと思っています。文在寅グループにとっては、韓国の経済が落ち込むことは「いいこと」なのです。なぜなら、北朝鮮に近づくのだから。もちろん、そんな本音は国民の前では決して言いませんが。」(p119)
「室谷 例えば、光州事件で怪我をしたり、死んだりした人間の家族は、みんな有功者になっています。セウォル号の遺族も、それらと同等の扱いになっている。この一番の問題点は、金じゃない。金をいくらもらうなど、それはそれでいいとして、例えば国家試験を受けたときに10%点数を加算されることになっている。「光州事件の遺族」だと、司法試験に抜群に通りやすくなる。それで韓国の司法界は左傾化したという話もあるくらいですから。」(p144)
「室谷 さっきも話に出たけど、意図的にさり気ない嘘を、まず織り込むのが上手いですよね。国民を誤って導く書き方が多い。例えば「わが国は経済規模で世界の10位圏」であると書く。「10位圏内」とは言わないで「10位圏」。
加藤 確かに「10位圏」と書きますね。
室谷 そうすると、「10位以内」だと日本人は思う。普通は韓国人でもそう思うでしょう。でも韓国の新聞が書いているのは「10番代」だということなのです。つまり「11位から19位まで」という意味で使うわけです。」(p170)
つかの間の平和の後に何があるのか、日本人もある程度覚悟しておきましょう。
邦人救出、水際作戦……頭痛い……19世紀末の半島情勢でも、当時の日本は頭痛かったんだろうなぁ……。