べにーのDoc Hack

読んだら博めたり(読博)何かに毒を吐いたり(毒吐)する独白

『BABYMETAL LIVE LEGEND I,D,Z APOCALYPSE』BABYMETAL(その2)

(2017/0201 修正) 

 

引き続き、『BABYMETAL LIVE LEGEND I,D,Z APOCALYPSE』より、今回は「LEGEND D」をじっくり視聴。
2012年12月20日、赤坂BLITZです。
オープニングの映像では、「day of birth」ということで、クリスマスもかかっているようです。
どうしてキツネさまなんだろう……どうやらSU-METALさんは神の化身として誕生されたようでございます(寿ぎ寿ぎ)。
赤坂BLITZか……坂本真綾(様)のファンクラブイベントで来たな……やっぱりカメラ位置には苦慮されているような印象です。
おっと、今回も神バンドは最初は登場せず、骨のみなさんでした。
「BABYMETAL DEATH」から「君とアニメが見たい〜」、「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」とガンガン飛ばしておられます。
音のバランスは、「LEGEND I」よりもいい感じじゃないかな、と思います。
ん、聖誕祭だからか、SU-METALさんの振り付けがちょっと違ったりしませんでしたかね(気のせいかな)。
「威風堂々」に乗せて幕間の映像……いかんですね、「威風堂々」を聴くと、どうしても『あたしンち』が浮かんで来てしまいます……。
1997年のお生まれで、「セカンドインパクト」……?……このときは、「SPEED KING」(沖縄の人たち)が活躍し、「伝説のバンド」(「X」のことです)が活動停止した年だと……うーん、20年前かいっ(死ぬるわ……ついこの間じゃないか……)。
そこから、SU-METALさんの、世を偲ぶ仮の姿の幼少期からのご尊顔などが拝見でき……絶対可憐?って、『絶対可憐チルドレン』でしょうか(この世界(オタク)長いので、その辺りはピンと来ましたが、アニメは見ていないのですよね……)……だいたーん、ってなんだろう……。
そうか、なるほど、SU-METALさんは、世を偲ぶ仮の姿で、アイドル界に潜入(アンダーカバー)していたのですね……大変だ。
そこから、SPEEDの「WHITE LOVE」を披露されるSU-METALさん。
続いて、知らない曲をYUIMETALさんとMOAMETALさんが歌い踊り、そこにSU-METALさんが加わる、という展開……あ、これが「だいたーん」なのか……でも知らない曲だなぁ……可愛らしいですけれどもね。
そこから、おっと「ヘドバンギャー!!」のリミックスで踊りまくるお三人……クラブミックス的な感じでしょうか。
続いて幕間の映像は、やったぜ「BLACK BABYMETAL」の登場。
どうやら聖誕祭ではしゃぎ過ぎてしまったらしく、アイドルのエルサレムらしい「エーキバ」で、アイドル界の刺客「スネーク(オリ○ジの藤○的な)」に声をかけられて(ナンパ)しまうと。
「チャラ男、だめ、ぜったい」とキツネ様に言われていたにも関わらず……またしても変身してしまうのですね……チャラ男はお母さん許しませんよ(?)。
「おねだり大作戦」は何回聴いても可愛いですな……。
そこから「ド・キ・ド・キ☆モーニング」、「いいね!」、そして「イジメ、ダメ、ゼッタイ」へ。
「いいね!」のダンスがキレッキレでしたよ。
おっと、どうやらYUIMETALさんとMOAMETALさんは、「スネーク」に捕まって、本当にアイドルなのか尋問されてしまう……語尾に「DEATH」がついて、メタラーだとバレてしまうのでした(すごい世界だ……)。
「ヘドバンギャー!!」から、舞台には白い十字架が登場(ベタですな)。
そしてそこから、SU-METALさんの……つ、「翼をください」?
キャンドルライトを持つYUIMETALさんとMOAMETALさん……メタルアレンジな「翼をください」ですが、聖歌みたいになっちゃって、なんですかねこれ、「エキセントリックオペラ」みたいになってますよ……あら、SU-METALさん、マイクを置いてしまうのですね……み、自ら十字架に⁈
そして、炎が上がるとな⁈
豪華な演出だ〜……。
ここで終演、予告映像では「LEGEND Z」ということで、Zepp東京ですよ〜、と。
セカンドインパクトの続き」「サードインパクト」……いかん、世界観がよくわからなくなってきたぞ……。

 

01 BABYMETAL DEATH
02 君とアニメが見たい〜Answer for Animation With You
03 ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
04 White Love Angel Of Death ver.-
05 Over The Future Rising Force ver.-
06 ヘドバンギャー!! Night of 15 mix
07 おねだり大作戦
08 ド・キ・ド・キ☆モーニング
09 いいね!
10 イジメ、ダメ、ゼッタイ
ENCORE
11 ヘドバンギャー!!
12 翼をください 炎ver.-

 

セットリストを見ていたら、何か「〜ver」がいろいろとツッコミどころが……。

というわけで、YUIMETALさんとMOAMETALさんの区別がつかないようではいかん、と思ったおっさんは、日曜日を費やして、いろいろな動画を検索して、基礎知識を身につけたのでした(多分、レベル3くらいになったと思います)。
以下、BABYMETALの昔からのファンの方は読む必要はないと思います。

 

・お三人とも、世を偲ぶ仮の姿で、成長期限定ユニット「さくら学院」に在籍されていた(「さくら学院」は、小学校5年生から中学校3年生までしか在籍できず、必ず卒業していく、というアミューズのアイドル……アイドル界のダークヒロインなはずなので、アンダーカバー(潜入捜査)していたことになるわけですね、うむうむ)。

 

・SU-METALさんの世を偲ぶ仮の姿は、中元すず香さん。
>広島出身。アクターズスクール広島に参加。
>「可憐Girl’s」というユニットで、アニメ『絶対可憐チルドレン』の主題歌「Over The Future」を歌われる。
>その後、「さくら学院」に参加。
>中学3年生のときは、生徒会長を務められる。
>「さくら学院」時代の「重音部」の活動が、BABYMETALとなる。
>学期末テストでの珍回答に一部界隈がざわつく(先生に「よくそんなまっすぐな目でアホバカなことが言えるな」と言わしめる)。また、代々の生徒会長が学期末テストで追い詰められることになる、という系譜をしっかり引き継ぐ。ちなみに、「力うどん」を「職人さんが力を込めて作った力づくでこねたうどん」と回答、先生より「それは、うどんです」と真っ当なツッコミを受けたり、クラーク博士の名言を「少年よ、土地を抱け」と答え、先生より「大人になっちゃったのかな〜」と心配されたりした。
>天然ボケエピソードがいくつか明かされる(靴を左右逆に履いていたことがある、ロングスカートの下にパジャマを着たまま仕事に来たことがある、等)。
>お姉さんは乃木坂46

 

・YUIMETALさんの世を偲ぶ仮の姿は、水野由結さん。
>神奈川県出身。
>小学校5年生で「さくら学院」に参加(転入生)。
>「バトン部」(Twinklestars)、「重音部」に加入(後、「クッキング部」(ミニパティ)にも参加)。
>MOAMETALさんの世を偲ぶ仮の姿、菊地最愛さんと一緒に、「速報!神奈川県で最も売れているCD週間売上ランキング」コーナーに出演。
>某番組では、YUIMETALのキャラを守りきれず、タカアンドトシのツッコミを受ける。
>学期末テストではがんばる。

>プロデュース委員長就任。

>自慢は「ほっぺたがぷにっぷに」なこと。
>リアクションにタイムラグが生じるという噂がある。

 

・MOAMETALさんの世を偲ぶ仮の姿は、菊地最愛さん。
>愛知県名古屋市出身(……同郷じゃないですか……)。
>小学校5年生で「さくら学院」に参加(転入生)。
>「バトン部」(Twinklestars)、「重音部」に加入(後、「クッキング部」(ミニパティ)にも参加)。
>YUIMETALさんの世を偲ぶ仮の姿、水野由結さんと一緒に、「速報!神奈川県で最も売れているCD週間売上ランキング」コーナーに出演。
>中学校3年生のときは、生徒会長をつとめられる(そしてやはり、学期末テストで追い込まれる)。
>某番組で、アイドリング!の菊地亜美さんと共演したとき、「祖父母が北海道出身で、ひょっとして親戚じゃないですか?」と訊ね、「かわい〜」と抱きしめられながら「親戚じゃない」と否定される。
中元すず香さんの卒業式で号泣するシーンを見ておじさん感動(<お前かい)。

 

水野由結さんと菊地最愛さんは、「さくら学院」のオーディションで、可憐Girl’sの「Over The Futue」と披露したらしい。

 

・当初、SU-METALさんはツインテールだった。


・キツネさまが降臨されたのは、「メロイックサイン(※ロニー・ジェイムス・ディオで検索……ひょっとして、ロニーが間違って降臨しちゃったのかな……)をやって、と言われてやってみたらなんか違ってキツネさんになってしまった」のを、「まいっか」とそのままに採用されたため、だったらしい。


・YUIMETALさんとMOAMETALさんの担当している「スクリーム」は、日本語にすると「合いの手」。

 

うーん、まだまだレベル3くらいですねやっぱり……とにかく、40代のおっさんが貴重な時間を削って勉強した結果、

 

・「ぷにぷに」なのがYUIMETALさん
・口角上がっちゃうのがMOAMETALさん

 

ということで、無事区別がつくようになりました〜(パチパチ)。
もっと勉強しよう……。

 

『BABYMETAL LIVE LEGEND I, D, Z APOCALYPSE』BABYMETAL(その1)

基礎知識のないままBABYMETALのMETAL RESISTANCE最先端に突っ込んだ私ですが、

 

○こちら===>>>

若いときからヘッドバンギングしすぎちゃダメ - べにーのDoc Hack

 

↑2年ほど前にこんな記事を書いておりました。
BABYMETALに対する認識が甘い、という点には目をつぶっていただいて、結局心配していたのは「あたら若い女子がヘッドバンギングをやりすぎてはいけない」ということだったようで。
ヘヴィメタルとサブカルの親和性については、昔から思っていたので、何度も書くことでしょう。


さて、如何せん、全く基礎知識がなかったもので、とりあえず手に入る、一番古そうな音源(ブルーレイ)ということで、

 

 

↑『BABYMETAL LIVE LEGEND I, D, Z APOCALYPSE』を購入してみました。
三本のライブが一本のブルーレイに収録されています。
私、車載のDVDプレイヤーでライブDVDを流しているのですが、ブルーレイは見れないのです……ああ残念……というわけで、じっくり腰を据えて自室で見ることに。

まずは「LEGEND I」は、2012年10月6日……2012年?
えっと、5年前?
そんな時期からやっていらっしゃいましたか……これは失礼いたしました(?)。
場所は渋谷のO-EAST……あれ、いつからON AIR EASTでなくなったのか……ON AIR EAST時代に行ったことがありますね(大きさも変わっているのかしら)。
導入からナレーションでストーリーラインを説明してくれる、という親切仕様……アイドルさんのライブでは当然ですかね(あ、ウェンブリーのときもありましたが、英語だったもので……)。
なるほど、アイドルに支配された世界にメタルを復権するため、降臨したダークヒロインなんですね……うん、何というか、「伝統的」で素晴らしい
オープニングは「BABYMETAL DEATH」……あれ、まだこの時期は神バンドさんがいらっしゃらないのですね(無知)。
骨を着た人がバンドらしく振舞っています(?)。
そっか、カラオケか……最近のカラオケ(昔はテープっつってましたけどね)は音質も高いから、ダイナミズム的には気にならないのですが、低音がちょっとしんどいんですよねおっさんには……やっぱベードラは生でないと。
いたしかたないとはいえ、アリーナクラスのライブを観た後だと、カメラ位置が気になっちゃいますよね(苦慮してるんだろうなぁ)。
パフォーマンスは、ウェンブリーよりも激しいくらいかな、と思いました。
で、5年前の映像……YUIMETALさんとMOAMETALさんが、なんか、本当に小さいお嬢さんで……あんまり高校生以下のアイドルとか興味がなかったので……ますます、あんまりヘドバンしちゃだめだよ体もできてないのに……ってこの感情は、まさか母性本能というやつなのでしょうか(違う)。
「いいね!」から、「君とアニメが見たい〜」が「はっじまっるよ〜」と始まりました。
何だこの恐ろしい歌詞は……うら若い女子に歌わせる歌詞じゃないと思いますけども……でも疾走感溢れるスピードチューンで癖になる感じ(でも歌詞がね……/調べたところ、キバオブアキバという人たちの曲をカバーしているらしいです……シングルがあるのね)。
最後の歌い上げは、SU-METALさん素晴らしい。
「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」も初めて聴きますね……こりゃコールアンドレスポンス(合いの手か)がばちっと決まって盛り上がる曲ですね……やはり日本って、「合いの手」文化が強いのでしょうかね……いえ、和太鼓とか、歌舞伎とか……ジャズでもありますけどね、こんなきっちりしているのは、70年代アイドルファンたちが作り上げてきた遺産なのかもしれませんね……。
そうか、特にMCはないのか……だから映像で繋ぐのですね……どうもYUIMETALさんとMOAMETALさんは、ときどき「BLACK BABYMETAL」に変わってしまうようで、今回のきっかけはキツネ様が食べてはいけないと言っていた「チェケラッチョコ」……で、そこから「おねだり大作戦」という、これもまた初聴きの……ヒップホップ系なのね、チェケラッチョコだけに……あ〜破壊力満点ですなこれ。
今の時期しか歌えない、といいますか……間奏後の「買って!」の連呼(絶叫)がまた可愛いですねぇ……おじさん何でも買っちゃうよ(給料の範囲で)。
SU-METALさんがソロを取れるので、「BLACK BABYMETAL」というユニットでダンスのお二人もしっかり見せますよ、ということですね……どうもダークサイドに堕ちちゃったらしいので、それを救うためにSU-METALさんが命を燃やして「紅月」を歌う……お姉さんは大変ですね……。
「紅月」は、ギターイントロなんですね……ウェンブリーの音源しか知らないのでなんか新鮮、でもイントロにちょっとためが少ないですね(「アカツキだー!」も叫ばないんですね)。
次の「ド・キ・ド・キ☆モーニング」で退場……そうか、持ち曲がまだ少ない時期なんですね。
アンコール前の映像で、神の楽団が降臨することが告げられました。
ウェンブリーとは面子が違うようですね。
で、三人は、神の降臨したステージに戻ってこられて、「ヘドバンギャー!!」。
そうか、これが「ヘドバンギャー!!」か……なんてこった、超名曲じゃないですか……思っていたヘドバンと違っていた(横揺れ)のに驚きましたが、これならまだダメージは少ないかもしれんな……。
「いちごの夜」ってなんだろう……あ、尾崎か(納得)。
「もう二度と戻らない……」……「紅」ですか……いや、ところどころに入っているいろんなオマージュがまた面白いですね。
最近の細分化したメタルのことはとんとわからないので、こういうのは何かニヤッとします。
わー、サビ前でジャンプしているYUIMETALさんとMOAMETALさんがまあ可愛いですね……元気が詰まっているんだろうなぁ……。
ラストは「イジメ、ダメ、ゼッタイ」。
「今以上、これ以上……」……え、「ワインレッドの心」?
あ、キツネさんのお告げが夢の中であった、ということなんですね……「かけっこ」!か、そうか、だからイントロのYUIMETALさんとMOAMETALさんは走っていたのですか……あ〜なんか、すっきりした(ウェンブリーは英語のナレーションだったから、今ひとつピンとこなかったもので)。
……ロン毛のお兄さんが出てくる夢ってのはどうなのかな……かなりやばいですね……。
おや、合間の振りがちょっと違いますね(間奏の最後で、SU-METALさんが二人の間に入るところで、ウェンブリーではどちらも前蹴りだったのですが、初期は蹴りとパンチだったよで)。
「いとしさと……せつなさと……」……いいのかしらね、それは……。
O-EAST、いいライブハウスですね。
を、次回予告ありですか……次は赤坂BLITZと……「LEGEND D」……「D」ってなんだろう……いやそもそも「I」も何なのか……「SU-METAL聖誕祭」


01 BABYMETAL DEATH
02 いいね!
03 君とアニメが見たい〜Answer for Animation With You
04 ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
05 おねだり大作戦
06 紅月 アカツキ
07 ド・キ・ド・キ☆モーニング
encore
08 ヘドバンギャー!!
09 イジメ、ダメ、ゼッタイ

 

とりあえず、「LEGEND I」の感想でした。
実はまだ、YUIMETALさんとMOAMETALさんの区別がついていません(だめじゃん)。

 

『神経とシナプスの科学』杉晴夫

 

神経とシナプスの科学 現代脳研究の源流 (ブルーバックス)
 

 

昨今、ノーベル賞を受賞されたみなさんが、口をそろえるようにおっしゃるのが「基礎科学、基礎的研究がおろそかになっているのではないか」ということでした。

その意味すらわからない理系脱落者の私には、なんともかんともなのですが、現在ノーベル賞の対象となるのは、最新の研究ではないようですので、これから20年ほど過ぎて、日本人の受賞がどうなっているのか、というところでしか測られないのかもしれません。

先手打っておけ、ということなんですが……歩み遅く、反応鈍いのは日本の伝統芸みたいなものでしょうかね。

それはともかく、いやいい本でした。

途中難しい部分もありましたが……脳に関する本をいくつか読んで、そもそも基本的なことがわかっていないな、と思い購入してみて正解です。

電磁気、生体電気の発見から始まって、イカなどの神経を研究することによるイオンチャンネルの発見、シナプスの情報伝達……もうわけわかりませんわ。

だから理系脱落者なんですけどね……。

で、知りたかったのは、「流れないのに流れる」電流、「容量性電流」のことなんです。

この基礎的なことがさっぱりわかっていなかったので。

コンデンサのことを理解されているかたには、「高校で何をやってきたのか?」と思われるかもしれませんが……ええ、はい、さっぱりでした。

本書を読んで、その一端がようやく見えました。

神経というのは長いわけですが、もしそこを電流が流れているとしたら、どう考えてもその途中で減衰して末端まで行き渡らない、と思っていました。

とすると、人間(生物)の体の中を流れている電流というのはなんなのか……。

 

 

 

 

 

 

 

あ、説明できませんけどね、まだ(なんとなく理解はしている)。

お粗末な脳みそで、何度か読み返して、少しでも理解したいと思っています……。

 

本書では、コラムとして「生理学の巨人たちの思い出」が書かれています。

これがまた、研究者の素顔を覗き見るようで面白いです。

なかなか、芳醇な知に満ちた本でした。

 

 

 

 

 

感想が短いですか?

ええ、よくわかっていないもので……。

 

 

「自然科学の歴史から明らかなように、自然現象に関する知識を整理し、これを応用して種々の機器を開発するには、対象とする現象間の定量的な関係を厳密に記述する数学が不可欠である。科学史に名をとどめる偉大な研究者はこのことをよく知っていた。例えばガリレオは「自然の法則は数学の言葉で書かれている」と言い、ケプラーは「数式の力を借りずに考えるのは暗夜に灯火なしにさまようようなものだ」と言っている。」(p21)

 

電解質溶液中の物体の周囲は電気をよく伝える電解質溶液で囲まれており、しかも荷電したイオンが絶えず運動しているので、空気中の物体のようにプラスまたはマイナスに帯電することはない。したがって、電解質溶液あるいはその中にある物体では、どの部分をとってきても、その中に含まれるプラスとマイナスの荷電は等しく電気的に釣り合っている(略)。これを電気的中性条件という。」(p26)

 

「電位勾配という言葉の意味を読者に理解していただくため、第二次大戦後しばらくわれわれが食料不足に苦しんでいた時期、日本全国で広く自作され使われていた「電気パン焼き器」について説明しよう。

これは木製の弁当箱の内側に焼け跡から拾ってきたブリキ板を切って貼り付け、家庭の交流電源(100V)につないだものであった。この電気パン焼き器に水に溶いた雑穀やサツマイモの粉末を入れておくと電流が流れて熱が発生し、パンのようなものが焼けたのである。

この場合、弁当箱内のブリキ板の間の距離を10㎝とすると、大まかに言って電位勾配は100V÷10㎝=10V/㎝である。つまり1㎝あたり10Vの電位勾配が水溶液にかかるとパンを焼く電流の熱エネルギーが得られるのである。

もし弁当箱の代わりにもっと大きな箱を使って、ブリキ板の間の距離を20㎝に増やすと、電位勾配は100V÷20㎝=5V/㎝となりパンを焼くのに必要な熱は生じない。逆にブリキ板の距離を1㎝に縮めれば電位勾配は100V/㎝となり水溶液中の雑穀粉はたちまち黒焦げになってしまう。」(p177)

 

 

「ある物体に電圧を加えたとき、電流を一方向にしか流さない性質を整流作用といい、エレクトロニクス回路には整流作用を持つ素子が多く使われている。」(p200)

 

「電気説で考えられたような電気的に活動電位を伝える電気シナプスが、ザリガニなどの甲殻類の巨大神経繊維に存在し、動物の速い逃避運動の際にはらたくことが後に見出された。しかし脊椎動物ではわずかな例外を除き電気シナプスは発見されていない。大自然は進化の過程で電気シナプスを一部の無脊椎動物で試みた後、これを放棄したとも考えられる。」(p208)

 

「わが国では以前から、無脊椎動物の中枢神経系を研究する生物学者の少数のグループがあり、彼らは研究費申請のために微小脳というカテゴリーをつくっている。無脊椎動物の脳が高騰脊椎動物の脳に比べれば「微小」なかけらに過ぎないとしてへりくだっているように思える。しかしこのカテゴリーの研究に交付される研究費は文字どおり微々たるものに過ぎない。

以前、この微小脳研究グループへの研究費がさらに大幅に減額される事態が起こった。ある作家兼テレビタレントが「わが国では昆虫や甲殻類などの無価値な研究に貴重な国費を使っている者がいる」と発言したのである。当時の文部省の官僚はこの言葉に敏感に反応し、気の毒にも彼らの研究費はタレントの言うとおり大減額を受けたのであった。

この話には続きがある。この出来事があって暫くして、すでに説明したように、米国のカンデルらがアメフラシの脳の研究でノーベル賞を受賞したのである。これを報ずる大新聞の記事に、我が国の指導的脳研究者のコメントは全く掲載されなかった。彼らのしらけきった心理が想像される。」(p303)

 

研究には金が必要なのです……だから軍事的応用が可能な研究というのは潤っている、という部分があります(日本には軍隊はないんですよ)。

『LIVE AT WEMBLEY』BABYMETAL

 (2017/1/20追記)

 メタル、聴いてますか?

というわけで、ややメタルおっさんとしては、気にはなっていたもののほぼ予備知識なしのBABYMETAL最新DVDを購入してみました(ですので、ファンの方からすればいろいろとおいおいなことが書くかもしれませんが、ご容赦を)。

まず、私の知っているBABYMETALに関することといえば、「三人組」「バンドが神らしい」といったことくらい。

まだうら若い女子がヘッドバンギングなぞして首や脳にダメージを負うのはいかがなものか、という心配をしたりもしていました。

あとは、『Kerrang!』誌で何か賞をもらったらしいこと、レディ・ガガの前座を勤めたとかなんとか、ロブさん(ロブ・ハルフォード)も認めた的な記事を読んだりとか。

最近はあまりメタルを聴いていませんし、ヘンテコな音楽をできるだけ聴きたいと思っているので正統派メタルからは遠ざかっていたもので、実際よく知りません。

ロックやメタルに関しては、原理主義的なところはほとんどないので、ヘンテコなロックやらメタルやらに対する違和感は特に持っていません(じゃないと「iwrestledabearonce」とか聴けませんわな)。

ウェンブリーアリーナといったら、エヴァネッセンスやブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインシステム・オブ・ア・ダウンなんかもライブをやっているところですよね。

何かすごいなぁ……と思いつつ鑑賞開始(あ、このDVDしか持っていないので、曲名は英語表記しか知らないです)。

設定をよく知らないので、「キツネ」が何かも知りません。

コンセプト的に、和風なものも入っているのか……初期「ももいろクローバー」が和風アイドルユニットだったことを思い出します(早見あかりさんが好きなもので、脱退した後に、脱退前のことを調べてみたりしました)。

イギリス人の盛り上がり方は、うん、まあ、メタルに対する盛り上がり方のような気がします。

少なくとも、ケミカルライト全開点灯、という感じではない(そういう文化はないのかな)。

1曲目は「BABYMETAL DEATH」。

音は完全にメタルで、ちょっと驚きました(いい感じの音です)。

とはいえ、基本は三人組ダンスアイドルユニットなのか……アイドルのDVDなんて初めて買ったなぁ……。

メタルとダンスにはちょっとした違和感を持ちましたが、よく考えると「アクセプト」とかのフォーメーションだって似たようなものじゃないか、と……それを思えば、ダンスくらいなんだ、てなもので。

真ん中のポニーテールの人がSU-METALさんで、ツインテールのお二人が、YUIMETALさんとMOAMETALさん(合ってるのか?)。

アイドル定番の自己紹介ソングですかね……昔、友人の劇団がショートコント的に「デストトロ」っていうネタをやっていたのを思い出しました(デス声で「デストトロ」って連呼する、というネタ)。

しかし、イギリスのみなさんは、この「デス」が日本語の「〜です」とかかっている、ということを知っていて盛り上がっているのだろうか……ちょっと心配(いや、「death! death!」叫んでいるもので)。

途中のスクリームはエフェクトかかってるのか、録音なのかどっちなんでしょう。

いやしかし、1曲目から惹きつけられました。

2曲目の「Awadama Fever」、3曲目の「Iine!」(「イイネ!」)は、メタルとユーロビートが融合して、パラパラっぽいダンスあり、アイドルらしいメロディと歌詞の曲でした。

うん、頭空っぽで聴ける辺りは素晴らしい。

SU-METALさんが、歌がお上手で驚きました。

4曲目の「YAVA!」(「ヤバ!」……やばいってことかな)は、振り付けが可愛かったですね(キレもありました)。

5曲目の「Akatsuki」は、SU-METALさんのソロ。

ええと……そうか、日本のメタルの系譜を紐解けばそこには「X JAPAN」がいるんですね。

海外ではわかりませんが、日本ではメタルが揶揄の対象になっていた時期がありまして。

どこの誰か知りませんが、「ヘビメタ」なんて略しよったおかげで……日本のハードロック/ヘヴィメタルの歴史を紐解くと、どの辺りからになるのかな……転換点として「聖飢魔II」がいたのは間違いないですね。

ザ・ベストテン』で「蝋人形の館」を歌ってましたからね……今考えてもすごいわ……。

で、「ジャパメタ」という、これも今ひとつの略称で呼ばれていた「ラウドネス」が海外で成功し、「アンセム」はどうだったのかな、一番好きなのは「アースシェイカー」ですけれどね(私、好みとして、日本人は女性ヴォーカル、海外は男性ヴォーカルが好きなんですけれど、日本人でも湿っぽい、色っぽい男性ヴォーカルが好きで、その点MARCYはいいですよねぇ……今でも色っぽい……)。

アースシェイカー」は、なぜかアニメ『超音戦士ボーグマン』の主題歌を歌っていましたね(それもよかった……あの年代は、影山ヒロノブの兄貴もそうですが、あっち側からこっち側に渡ってきた人がわりといらっしゃったのかな……)。

そういえば「アニメタル」がありましたね、日本には。

あれって、結構大きなインパクトを残したと思うのですが……一般のみなさんにはそうじゃないのかな。

で、メタルの系譜はどうなったのか、「X JAPAN」に行く前に「BUCK-TICK」だと思うんですよね……ご当人たちがメタルだと思っていたかどうかは知りませんが……この「BUCK-TICK」→「X JAPAN」ラインの先に、ヴィジュアル系というジャンルがありますよね。

私、多分これって、「ヘヴィメタ」にくっついた「ダサイ」というイメージから逃れようとした結果なのではないか、と思っています。

実際、ヴィジュアル系の人たちには、しっかりメタルの遺伝子が息づいていると思うのです(ハードロックだ、と言いたい人たちも多いでしょうか……ほとんど聴いてませんが……そこまで追いかけられないです……)。

日本には「婆娑羅」とか「傾奇者」とかありましたからね……ヴィジュアル系は文化的にその延長線上で語ってもいいのではないか、と思います。

この「Akatsuki」という曲は、構成から何から、「紅」というか「X JAPAN」のオマージュですよね。

6曲目「GJ!」は、YUIMETALさんとMOAMETALさんの歌……だったよな……3・3・7拍子的な入りだった気がしますが……そういえば、要所要所に和風なリズムとか、和音階、童謡なんかのエッセンスが入っていますね。

和風メタルといったらもう「陰陽座」なんですが……他には思いつかないくらい、あのコンセプトはインパクトがありましたね……和風ロックって何だろう、「四人囃子」とか「人間椅子」とかになるのかな(「人間椅子」は違うか)……「カブキロックス」?

7曲目「Catch me if you can」が、かくれんぼ題材ですかね、ダンスと「ま〜だだよ」っていうのが可愛かった気がします(そろそろうろ覚え)。

8曲目「Doki Doki ☆ Morning」はまたアイドルらしいメロディで。

そもそもアイドルソングとメタルとの相性はどうなのでしょう。

私、年代的に歌謡曲全盛、歌番組全盛の頃を生きてきましたので、アイドルったら「松田聖子」、「小泉今日子」、「中森明菜」な感じなのです。

特に「中森明菜」派だったのですが(いや、タイトルがよかったじゃないですか、「タンゴノワール」とか「ミ・アモーレ」とか)、彼女の曲はメタルとの相性はそんなによくないのかな……ダンサブルだったしな……典型的な「聖子ちゃん」バッキング、四つ打ちのピアノコード鳴らしをメタルに乗せても、面白みはないけれど違和感もないような気がします。

集団アイドルは、そうですね、「おニャン子クラブ」は否定できないくらいのインパクトがありました。

正統派アイドルではない秋元康氏の歌詞とか、今のアイドルソングの原型といってもいいのではないでしょうか(いや、「榊原郁恵」とか「松本伊代」とかの系譜が「おニャン子クラブ」には入っているのでしょうが)。

おニャン子クラブ」の場合は、後藤次利氏のメロディメーカーっぷりもすごかったのかもしれないです。

AKBグループにはほとんど興味はないですし、他のアイドルグループもそれほど知りませんが……。

脱線脱線。

9曲目「Meta Taro」(「メタ太郎」?)は、童謡か、『鉄腕アトム』的な曲。

マーチですね、ということは軍歌っぽくもあるのですが。

なんか、ロック×軍歌っぽい、ってえと、「ライバッハ」しか浮かんでこないな……。

メタルは様式美なところがありますので、伝統的な音楽とも割合相性がいいのかもしれないです。

10曲目「Song 4」……これもYUIMETALさんとMOAMETALさんの曲なのですが、「4」のことを歌っているだけ、という……あ、でも、このDVDで一番癖になるかもしれないです(観客大合唱)。

11曲目「Amore」は、SU-METALさんのソロで、「Akatsuk,i」と同じ方が作ったんでしょうか、似たコンセプトでした。

メロディックスピードメタルを日本的解釈にするとビジュアル系になる、ということなのかな……やっぱり「X JAPAN」へのオマージュが感じられます。

12曲目「Megitsune」は、一層和風な感じで、歌詞も「女の子は女優」的なもので……いや、作っている人たちが私と同じ世代だからなのか、ツボを心得ているといいますか……「なめたらいかんぜよ」って……面白い。

13曲目「KARATE」は、空手の歌です……いや違いますけど、ダンスにも空手の型の動きを取り入れています。

きちんと空手をやっていないってことは、突き、蹴りの形や足の運びでわかるもののようです……ダンスには関係ないですが。

このあたりになってくると、だんだんメタルであることは頭から抜けていっています。

14曲目「Ijime, Dame, Zettai」は、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」ですね。

歌詞の内容はそのものなのですが、こちらの疾走感溢れる感じは、「聖飢魔II」のメロディックさを思い出させますね。

歌い上げる感じとか(いや、ベタなメロディだってことなんですが)。

振り付けは「X」っぽい?

15曲目「Gimme Chocolate!!」……アイドルっぽい曲に戻ってきました。

16曲目「THE ONE-English ver.」は、日本語ヴァーションもあるってことでしょうか。

曲はもう、入りからして「ドリームシアター」級のプログレハード。

うん、こりゃあんまり日本人にはウケないな……逆に海外で評価されるってのがわかる気がします。

曲の部分が、テクニック的なことも含めて、ガチでHR/HMですものね。

ラストは「Road of Resistance」。

由緒正しくメロディックスピードメタルでした。

 

うん、こりゃメタルだわ。

神バンドの人たちのテクニックは本物ですし(6弦ベースて……)、今時のアイドル的な曲展開のものもありますし(ヒャダインさんとかっぽい)、ビジュアル系っぽさもありますし(マキタスポーツさんに解説していただきたいほど、見事なビジュアル系)、いろんな方向に訴えかけるものがあると思います。

ロックやメタルのジャンルというのが、もはやよくわからなくなってきていて、産業ロックからLAメタル、耽美系につながりそうな「ハノイロックス」とか、そこから「マリリン・マンソン」ですか、スラッシュメタルデスメタル、パンクからハードコア、どこかで融合したのかグラインドコア、なぜかメロディックデスメタル、「ウィズイン・テンプテーション」辺りからフィメールヴォーカルも採用し、ミクスチャーでいえば「ストラッピング・ヤング・ラッド」、これが受け入れられたから「スリップノット」もあったんじゃないか、プログレハードからシンフォニック系に展開し、オルタナ、グランジを経由して、なんか「グリーンデイ」みたいなメロディックなハードコアが、テクニカルなものはさらによくわからなくなって「マーズ・ヴォルタ」とか、ヨーロッパではジャーマンメタル、北欧の様式美系からさらにベタなシンフォニックな「ラプソディ」(当時)とか……今どうなってるんですかね、世の中的には……。

こういった世界的なロックの潮流が、日本で大きく展開するのかといえば、やっぱりメタルはどこかアンダーグラウンドなんですよね……前にも書きましたが、私、日本人は女性ヴォーカルが好きなもので、ガースズバンドだと「シンティア」が結構よかったですね、あとは何でも聴きますが……ま、いいんですけれど。

メタルは死んだとか、メタルほど大衆に迎合した音楽はないとか、いろいろな意見があるらしいです。

日本でこうなったのは、ヘヴィメタルが日本のサブカルと相性がいいからではないか、と思うこともあります(歌詞の内容とか)。

その結実としてのBABYMETAL、ちょっとファンになっちゃいました。

地上波にはあんまり出ないでしょうけれど、今は音質のいいブルーレイやDVDがありますからね、音楽番組いらんでしょう、となるのも不思議ではないです。

いつかは生で観たいものですが、どのくらいの人気なのかわからないんですよね……ファンクラブ入ってもチケットとれないんでしょうか。

 

最終的に気になるのは、いつか、

 

キングス・オブ・メタル

キングス・オブ・メタル

 

 

ジョーイ・ディマイオ閣下の「マノウォー」ともコラボするのか……何しろ「偽物のメタルには死を!」の人たちですから、是非とも絡んでほしい。

あと、「キツネ」様に選ばれたSU-METALさんが、若干タヌキ顔なところもポイント高いですよね(?)。

 

公式HPを見てみたのですが、この間まで「メタリカ」のオープニングアクト、今日あたりからは「ガンズアンドローゼス」のサポートアクト、その次は「レッドホットチリペッパーズ」のサポートアクト……そういや俺「レッチリ」をまともに聴いたことがないな……なんか「U2」とか「レッチリ」とか「オアシス」とかスルーしてきたんですよね……「ニルヴァーナ」も「パールジャム」もなぁ……「ストーンテンプルパイロッツ」とか「スマッシングパンプキンズ」辺りは聴いていたような……あ、「アリスインチェインズ」もろくに聴いていないぞ……「レイジアゲインストザマシン」とか……どっちかというとジャーマンメタル寄りだったんですね……それにしてもすごいね……こりゃチケットなんか取れないですな……。

 


BABYMETAL - メギツネ - MEGITSUNE (OFFICIAL)

『韓民族こそ歴史の加害者である』石平

 

韓民族こそ歴史の加害者である

韓民族こそ歴史の加害者である

 

 

最近やかましい半島の国ですが、古代史を探っているとどうしてもいろいろと情報を仕入れなければならないので、古代に限らずいろいろと漁っております。

とはいえ、ネットの世界には長年のコリアウォッチャーのみなさまがいらっしゃるので、私なぞ口を挟む必要もなく、特に現代に関しては様々な情報が手に入れられるのでありがたいです。

あまり偏った立場にあるのは望ましいことではありませんが、隣国は仮想敵国ですので、知っておくに損はないでしょう。

古代史以外では、ずっと私は関心がなく、ソウル五輪も、ヨン様ブームも、なんの興味もなかったわけですが、W杯共同開催辺りで「ん?」と思ったような……(当時も今も、右か左か微妙な立ち位置ですので)。

ここ何年かで、お隣さんとして非常にめんどくさい、ということがわかってきたのでした。

石平先生は、大陸生まれのかたで、今は帰化しているのかな、ときどきテレビでもお見かけします。

大上段に振りかぶった感じのタイトルですが、様々な文献を下地に、丁寧に論を張るというのは非常に学者然としていながら、まあ読みやすいことわかりやすいこと。

ざっと読むと、半島の歴史のことがなんとなくわかってしまうあたり、よく書かれていると思います。

他の知韓本、嫌韓本との違いは、強力な「半島の国家は、国外勢力を自ら内部に呼び込んで、状況を泥沼化させる」という主張でしょう。

これが結構面白い。

古代の三国(新羅百済高句麗)の統一戦争のときから、大陸勢力を引きずりこんでいる(結果、新羅が統一)。

元寇にもそういった臭いがする。

そして、絶賛継戦中(あ、休戦中か)の朝鮮戦争

提示された切り口で状況を見ていくと、「なるほど」と目からウロコが落ちる思いです。

地政学的な宿命として、事大主義や八方美人的外交を行うことで生き延びてきた、その点に関しては私はすごいことだと思っています。

ただ、何が残っているのかがよくわかりませんけれど。

石平先生の切り口に、華夷秩序小中華主義)、易姓革命とかを盛り込んで考察すると、今のかの国のことがもっとわかるのかもしれません。

 

「もちろん、それであきらめるような金春秋ではない。復讐に燃える彼はついに、唐帝国を説得して百済攻撃に誘い出す「論理」を編み出したのである。

前述のように、唐の太宗は当時、何としても高句麗を打ち破りたかったが、なかなか妙案が見つけられずにいた。そこで金春秋は太宗をこう口説くことにした。高句麗が、北からの唐王朝の攻撃に全力を挙げて反撃し対抗できたのは、半島南部の百済と連携して、南からの支援を受けているからだ。ならば、唐王朝はまず、百済を攻撃すればよい。百済を滅ぼすことができれば、後方からの高句麗への支援を断つことができるだけでなく、南と北の両方から高句麗を挟み撃ちすることもできる。そうすれば、高句麗征伐は必ず成功するだろう、と。」(p40)

 

「それ以降、日本からの軍勢は百済復興勢力からの協力をほとんど得ることができなくなり、異国の地で強大な唐王朝新羅連合軍と、ほぼ単独で戦うことになった。その結果がすなわち、「白村江の戦い」における大和朝廷軍の完敗と全滅であるが、日本からの軍を半島に誘い込んだ百済復興勢力が分裂した時点で、この敗北はすでに決まっていたといえる。日本兵の血が白村江を赤く染めていた時、肝心の豊璋王子はどうしていたか。数名の腹心と共に戦場から離脱して、高句麗へと逃げていたのである。」(p64)

 

「しかし忘れてはいけないのは、まさに本章で繰り返し指摘してきたように、唐帝国の侵略軍を半島に誘い込み、その侵略戦争に最初から最後まで協力し続けたのは、同じ半島国家で同じ韓民族新羅に他ならない、ということだ。」(p65)

 

「韓国の現役大統領である朴槿恵氏は、二〇一三年三月に、日本との「歴史問題」について、「被害者と加害者の立場は千年経っても変わらない」という主旨の発言をしたが、ならばわれわれは、彼女に一つの質問をしておかなければならない。「高麗王朝と元帝国の共同作戦である日本侵略・弘安の役から、どれくらいの年数が経ったのか」という問いである。

その時点で、日本侵略から千年どころか、七三二年しか経っていなかった。となると、朴大統領自身の論理に忠実であるなら、日本侵略の加害者としての高麗王朝の立場は、今でも何ら変わっていないことになる。つまり、現在の韓国人全員が歴史を直視して、かつて自分たちの祖先が行った、この立派な戦争犯罪を深く反省し、祖先の卑怯と卑劣を多いに羞じ、謝罪するべきということになる。歴史認識問題を強調すればするほど、ブーメランのように韓国人にもはね返ってしまうのである。」(p120)

 

「日本と清国が戦争した結果、第三国の朝鮮が独立を獲得した。実は、この興味深い出来事の背後には、近代になってから、日本、清国、朝鮮それぞれが歩んだ道の違いに起因する、朝鮮という国の「近代化」の特異な性格が隠されているのである。」(p125)

 

「にもかかわらず、朝鮮王朝の内乱を政変につなげて利用しようとする、かつての最高権力者の指示によって、無残にも殺害されてしまった。この軍乱において殺された日本人は、堀本だけではない。上智大学教授の長田彰文氏が著書『世界史の中の近代日韓関係』(二〇一三年、慶應義塾大学出版会)で記したところによると、殺された日本人は、堀本礼造を含め十三人にも上ったという。まさに「日本人虐殺」ともいうべき事件である。」(p136)

 

「……考えてみれば、世界のクーデター史の中でも、これほど奇妙なものはないだろう。政変を起こす側が外国軍を頼りにしていた一方で、鎮圧する側も終始、外国軍の力を借りているのである。まさしく韓民族ならではのおかしな政変劇であるが、朝鮮人同士の戦いはいつも、こうやって外国勢力を巻き込まずにはいられないのであろう。」(p147)

 

「露館播遷から一年後の一八九七年二月、高宗はようやくロシア公使館から出て、慶運宮という朝鮮王朝の宮殿に移った。むろん公使館を出ても、高宗の政府はロシアの強い影響下にある「属国政権」であることに変わりはない。実際、慶運宮に移った高宗の安全を守っていたのは、依然としてロシア軍であった。

そしてこの年の十月、高宗は自ら皇帝の座について「大韓帝国」の成立を宣言した。有史以来、朝鮮民族国家元首が初めて、かつての宗主国である中華帝国の皇帝と同じ称号を用いることになったのだ。高宗によるこの政治行動の意味は、要するに清国からの自主独立をアピールすることにあるが、実態は、虚勢を張った以外の何ものでもなかった。二年前の下関条約で、清国は朝鮮への宗主権をとっくに失っていたから、今さら清国からの「独立自主」もなかったはずである。」(p164)

 

華夷秩序」の中では、中原の国、大陸の統一国家が序列第1位で、そこから遠くなる程洗練されていない、という認識です。

大陸の統一国家は、何しろ文明4000年以上ですから、こうしたものをうまく使うことに長けています(実をとることも厭わない)。

ところが、「小中華思想」と揶揄される半島の国家は、自分たちが大陸に一番近いものだから序列第2位だと考え、遠くの日本のことを下に見ているのですね。

現代の半島の人も、根っこの部分でそう考えているのだと思います。

遣唐使を廃止して以来、華夷秩序から逃れた日本にとって、理解しがたい発想です。

同時に、日本のあり方も、あちらのみなさんには理解できないでしょう。

易姓革命」というのは、大陸の支配者は天が示す、国が乱れたときには支配者の徳が失われているので、天が「命を革める」ことを誰かに任じているのだ、という詭弁です。

この論理自体は別にいいのです、古代以来多かれ少なかれ、どこの地域でも似たようなことはあったでしょう。

それを未だに引きずっているらしき国もあるんですね。

あ、中華人民共和国じゃないですよ。

ろうそくデモとかで、大統領を引き摺り下ろした国のことです。

日本では、天皇家というのは、かなり古い時代に「祭祀」のための存在となり、精神的な支配力を及ぼしていたのです。

この辺りは、ローマ皇帝神聖ローマ帝国含む)とローマ教皇バチカン)の関係性に似ているのかもしれません。

あちらは、西洋世界というかなり広い範囲でそれが行われたので、結果ぼろぼろになりましたが。

日本は一国の中でやっていたので、「易姓革命」は起こり得ない(超克した)わけです。

政権が変わっても、国としては存続している、という奇妙な国が日本です。

これがですね、恐らく半島の人々には理解できないところではないかと思います。

まあ、あの国も、何か知りませんが、建国100年にも満たないのに、半万年の歴史が云々とか、三国時代から国体が継続されていると思っているようですが、前王朝のことごとくを滅することさえ厭わないのが半島の「易姓革命」です。

ですので、石平先生の指摘(朴槿恵大統領の「千年被害者」発言)を回避する論理は簡単で、「我が国は政権が革っているが、日本は続いている。よって、加害者であり続けられるのは日本だけで、我が国ではあり得ない」とでも抜かすのでしょう、その気になれば。

だから、約束できないんですよね、かの国とは。

 

◯こちら===>>>

「韓日国民の不信感解消がカギ、日本政府は韓国市民団体と対話を」(1) (中央日報日本語版) - Yahoo!ニュース

 

↑何を言っているのかと思ったら、元朝日新聞の例の人でした。

このタイトルがいいですね。

これ、内容はあまり読んでいませんが、要するに「国内の市民団体の暴れっぷりに手を焼いている政府が、日本に対してその市民団体をいさめてくれよと言ってきている」わけです(実際に、かの国の政府与党がそんなことを言っている、というわけではないでしょうが、そうしたらどうだと勧める輩もいる、と)。

 

知るかそんなもの。

 

内政干渉だろう。

 

統治能力ないのか。

 

といった疑問の湧き出る中、石平先生の本著を読んだあとでなら、断言できることがあります。

 

乗せられるな、ろくなことにならない。

 

こうやって、対外勢力を引きずり込もうとするのかぁ……なんか、歴史の目撃者になった気分です。