(※2017/5/28修正)
「中日春秋 2017/5/26」(中日新聞)
「夕歩道 2017/5/27」(中日新聞)
地元ですから読んでいますけど、大丈夫かしら、という気持ちになることがあります。
朝刊コラム「中日春秋」の5月26日から。
以下引用。
「高度経済成長を支えた官僚らの姿を活写した城山三郎さんの小説『官僚たちの夏』の主人公・風越(かざごし)信吾は、巧みに天下り先まで見つけて人心を握り、「ミスター通産省」と呼ばれた男だ
▼「おれたちは、国家に雇われている。大臣に雇われているわけじゃないんだ」と公言し、官邸の意向に歯向かい左遷されたこともある
▼国会運営に行き詰まり解散総選挙に打って出ようとした首相に、紙の供給を担当する課長として「総選挙をやられるとしても、そのため必要な紙の割当は、一切いたしません」と直言した。総選挙には膨大な紙が必要だが、一内閣の延命のために学用品などに回す紙を犠牲にしてはスジが通らぬと信念を貫いたからだ
▼文部科学省前次官の前川喜平氏も、今は禁じ手の天下り問題で処分されたくらい部下の面倒見がよく、「ミスター文科省」と評されたという。ただ、小説の主人公とは違い、役人としてのスジを通せなかったと悔いておられる
▼安倍首相の友人が理事長を務める学校法人の獣医学部新設をめぐり、「総理のご意向」に沿う形で、「行政が歪(ゆが)められた」と衝撃の告白をしたのだ
▼自身の力不足のために「まっとうな行政に戻すことができなかった」とも言っている。ぜひ、国会で真相を語っていただきたいが、自民党は国会への参考人招致を拒んでいるという。それが「まっとうな政治」なのか。」
「今は禁じ手の天下り問題で処分されたくらい部下の面倒見がよく」
↑……えっと、これ褒め言葉なんだ……。
「自身の力不足のために「まっとうな行政に戻すことができなかった」とも言っている。ぜひ、国会で真相を語っていただきたいが、自民党は国会への参考人招致を拒んでいるという。それが「まっとうな政治」なのか。」
↑どんな理由で参考人招致するのかがよくわからないんですが……この人、機密文書だかメモだかを自分の目で見た「だけ」なんじゃないんですか?
ということは、参考人招致して明らかになるのはその機密文書だかメモだかが存在したか、この人がそのように認識したかどうか、であって、総理大臣のご意向とか内務省内閣府のほにゃららとか文科省のほにゃらら、じゃないと思うんですけど。
その記録がされた、その場にいたやつを引きずり出してこないと意味ないでしょ?
参考人招致して、この人それを証言するの?
「国会運営に行き詰まり解散総選挙に打って出ようとした首相に、紙の供給を担当する課長として「総選挙をやられるとしても、そのため必要な紙の割当は、一切いたしません」と直言した。総選挙には膨大な紙が必要だが、一内閣の延命のために学用品などに回す紙を犠牲にしてはスジが通らぬと信念を貫いたからだ」
↑私は城山三郎氏の作品は読んだことありませんので、ここに紹介された部分について、実際には原作にどのように書かれていたのかわかりません。
高度経済成長期らしいですけれど、「一内閣の延命のために学用品などに回す紙を犠牲にしてはスジが通らぬ」って、そこまで紙の供給が不足する時代?
延命だろうとなんだろうと、解散総選挙は総理大臣の専権事項ですから、紙を回すなという理由で行われないとなると日本の議会制民主主義の崩壊なわけですが……今後、毎回その手が使えるってことでしょ……役人なら、いかにそれを調整するか、が腕の見せ所だと思うんですけどね……ああ、私見ですので。
続いて、夕刊コラム「夕歩道」より、引用。
「やりっぱなしの行政、頼りっぱなしの民間、すべて無関心の市民-これらが三位一体になったとき、必ず地方創生は…」。石破茂・前地方創生相が示した、崩壊へのレシピ。厄介な三位一体。
やりっぱなしの官僚、頼りっぱなしの民間、無責任な国会に、総理の意向をまぶすとできるのなあに。獣医師さんの大学かしら。でもこのレシピ、当局は決して、あるともないとも言えません。
↑なんでお前らマスコミは入ってないの?
お前らは無謬の存在なのか?
お前らの無謬性を担保するものを出せよな。
コラムであって社説ではないから、軽めの読み物として読めばいい……みたいな話もあるのかもしれないですが、むしろそういう軽めの部分にこそ正体が現れるような気がします。
まあ、自分の無謬だと信じないとやってけないのかもしれないですし、誰もがそういう側面は持っていますけどね、自分たちが情報という力を握っている自覚がないのか、自覚が有り余って傲慢になっているだけなのか知りませんが、とにかく久々に気持ち悪かったので。
(元記事)