巨大ウイルスと第4のドメイン 生命進化論のパラダイムシフト (ブルーバックス)
- 作者: 武村政春
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/02/20
- メディア: 新書
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ウイルスのことをよく知らなかったので、手始めにこれを……読んでみましたが、入門書ではなかった感じです(まあブルーバックスだし)。
イギリスのブラッドフォードで見つかった「ブラッドフォード球菌」(実は、巨大なウイルス「ミミウイルス」であるとのちに判明)から話は始まり、ウイルスとは何かを説明し(細胞内に侵入して自らを分解、DNAかRNAを複製して細胞外に出る、細胞に感染しないと増殖できない……等)、それまでのウイルスの常識だったサイズを超えるウイルスの発見、さらにそれまではRNAが存在しないと思われていたRNAも備えていたこと、これまでの研究でから判明している遺伝子に相同しない配列が多数存在する「パンドラウイルス」の存在が明らかになったことなどを語り、「細菌」「古細菌」「真核生物」に次いで4番目のドメイン(超界)という分類が巨大ウイルスに対しては必要なのではないか、と話は続いていきます。
生物も化学もろくに理解できていない頭では、RNAだとかリボソームだとかシアノバクテリア、スクレイシング……頭が破裂しそうで、読み終えてもほとんど何も残っていません。
何度か読み返したり、もっと基本的なことを勉強しないことには理解はできないものと思いますが、とりあえずなんとなーく現在のウイルス研究の端っこの方がつかめたような気がします。
勉強はいつからでもできますが、基本的な知識は若い頃に入れておいた方がいいと思います……もっとも若い頃にはそれを理解できるだけの脳みそがなかったのですが(今もありません)。
「SFには気体生物のようなものが登場することがあるが、少なくとも現在の生物学において、気体は生物にはなり得ない。なぜなら、気体生物には、おそらく「細胞」が存在しないからである。同様に、ポケットモンスター(ポケモン)を生物とみなすなら、「岩石ポケモン」などの類は、おそらく現実には存在しない。この場合の岩石が現実の「岩石」と同じものならば、「細胞」からはできていまい。」(p115)