武村政春ファンなのか、俺……。
『巨大ウイルスと第四のドメイン』以後、武村氏のブルーバックス3冊目。
ウイルスって結局なんなのさ、という本です(誇張)。
「限りなく生物に近い物質」といわれているウイルスですが、それも学者が決めた定義によるものなので、さて何が生物かというのも定義が変わればおのずと変わっていくもの、のようです。
ウイルスはDNAを持つものもいれば、RNAを持つものもいる。
ウイルスの基本的な構造が解説され、しかしそれにあてはまらないウイルスがいる。
1ccあたりの海水の中に、500万〜1500万個のウイルスがいる。
様々なウイルスがいるわけですが、どうも共通しているのは、「宿主がいないと増殖できない」ことらしい。
つまり、「感染」ですな。
DNAウイルスの中には、転写用のRNAポリメラーゼを持っていないものがあるらしく、そうすると感染先の細胞が持っているRNAポリメラーゼが転写をしてくれるわけです。
なぜそうなるのかというと、細胞のRNAポリメラーゼは転写の機能に特化しているので、DNAを区別することができないのです。
細胞のだろうとウイルスのだろうと、DNAとあらば即転写、という具合に転写してしまう(増殖させる)。
ウイルスは、この盲点を利用しているのでしょうか。
細胞にRNAポリメラーゼが存在することを知っているので、あえてその機能を持たない、という選択をしているのでしょうか。
ん、何か違う……。
ノロウイルスの感染には、血液型が関係しているらしい、とか。
インフルエンザウイルスの流行は突然変異の起こりやすさからきている、とか。
いや、もう、あんまり覚えていませんけれどもね……。
ただ、生物進化にウイルスがなんらかの関わりを持っていたのではないか(という証拠が哺乳類のゲノムに残されているという)、なんてSFチックでなんとも素敵な話ではないですか。
そしてまた面白いのが、「本来、ウイルスと宿主は共生関係にある」はずなのだ、ということ。
ならば、宿主の生命の危機は、ウイルスにとっても存在の危機のはず。
それなのに、ウイルスの働きが宿主に危機(病気)をもたらすのはなんなのだろう……なんて疑問がちょっと解けたりします。
うーん、深い……そして覚えきれない……。
もうちょっといろいろと勉強しないといけません。
それに、何度読んでもDNA、RNA、転写、逆転写酵素、なんてものの区別がつけられませんが……やはり生きた知識ではないから、脳みそが咀嚼をしようとしないのでしょうね、きっと。
ふう……。
「おそらく賢明な読者諸賢であれば、「どれがウイルスの本当の姿なのか」という問いを発するということが、そのまま、「どれが私たち多細胞生物の本当の姿なのか」という問いを発することと同じであることに気づかれるに違いない。」(p206)
自問からだけでは、真の姿は見えてこない。
そこにある他者を通して問いかけることが必要なのです。