べにーのDoc Hack

読んだら博めたり(読博)何かに毒を吐いたり(毒吐)する独白

やっちまった……

 

 

全然売ってない……書店を5件くらい回ってようやく発見。

記念として購入。

アイドル、たくさんいるんですね……『ユーロ・ロック・プレス』を見ていて「何このバンド?」っていうのと同じような感じがしました(ちょっと違わね?)。

 

こちら===>>>

la la larks|FlyingDog

 

↑我らが坂本真綾(様)は、la la larksのアルバム収録の「色彩」(セルフカバー)に、全編コーラスで参加されているそうです。

うーん……そうですね、買わないとね。

la la larksは、確か、元給食殲滅……じゃないschool foods punishmentのメンバーが作ったバンドだったような、そうでないような……すいません、なかなか周辺領域まで知識が及ばなくなりまして……。

秋のファンクラブイベントも発表され、無事BABYMETALとは被らなかったので(zeppでやるから、被りようがないんですが)、頑張って名古屋公演に申し込もうと思います。

厳島神社の様子を見るためにWOWOW加入するかなぁ……。

 

こちら===>>>

さくら学院

 

↑そういえば、Amuse fes.もWOWOWでやるんでしたっけ……加入したはいいけど、見られないって可能性が……チューナー付の録画機器を買え、と?

……そうか、その手が……いや一旦冷静に……見られたらうれしいな、にしておこう。

『顔笑れ!!FRESH!マンデー』を見ていると、学院祭には是非とも参加したくなりますな……が、まだそこまでの父兄ではないから踏み出せない……というかライブで出ていくお金がさ……。

#3では、夏のアー写のときの裏話が休み時間にされていましたね。

どこに行ったかばればれな感じでしたが……まあそれはいいのか……そして、やはり、アイスの話題に……愛子様は在学中にアイスロケに出られるのかな……。

そういえば、『FRESH!マンデー』#3までで、中2トリオが全員登場したんですねえ……鬼が笑うかもしれませんが、来年度が超心配……まさしく生まれ変わる感じですよね……生きていたら応援したいなぁ(死ぬ予定はとりあえずないですが、頑張らないと……ってにわか父兄が何を心配しておるか)。

 

こちら===>>>

BABYMETAL

 

↑忘れそうですけど、SUMMERSONICのチケット買ったんでした……ちゃんと行けるかな……2ヶ月切りましたねぇ、体力持つかなぁ真夏のフェス……。

「巨大キツネ祭り」のHP先行申し込みも始まっております。

勢い申し込みそうになりましたが、やめとこう……1公演参加できるだけでも僥倖ですからね……にわかが調子に乗るものではない。

 

そして……

 

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……やっちまいました……いえ、部屋の片付けで出た衣類をBOOKOFFに処分しに行ったんですよ。

買取終了までの時間で、ぶらぶら見て回るじゃないですか。

中古CDのコーナーに掘り出し物でもないかな、と確認するじゃないですか。

あったんですよ、初回限定版……不思議ですね、こういうとき人はためらわないものなんですね……。

2009年かぁ……って坂本真綾(様)15周年の頃じゃないですか……もう一昔前ですね。

正直初回限定版でなくてもよかったんですが、あったから……カードが封入されているとかで、そういう特典もあまり興味ないなぁ……って感じで、中古だし、無くても全然構わないんですよね私。

 

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そしたらすーちゃんだったもので驚きまして……売った人は断腸の思いで手放したのか……あるいはあやみ派かゆいか派だったのか……。

「Over The Future」が時々不意に脳裏をよぎるので、とりあえず手に入れたことに後悔はないです。

 

Fly To The Future(初回限定盤)

Fly To The Future(初回限定盤)

 

 

 

『FRESH!マンデー』#3とか

月曜日ですね。

最近は『さくら学院の顔笑れ!!FRESH!マンデー』のおかげで、火曜日のほうが辛いです。

 

第3回は、生徒会長・山出愛子さん、教育委員長・麻生真彩さん、日髙麻鈴さん、転入生の八木美樹さん、の4名でした(あと森ハヤシ先生)。

日直は麻生さん。

やる気満々でネタを仕込んできたら、職員室の先生に却下されたとか。

…… KYGのみなさんは、ネタをやらないといけない掟があるのか……。

コメントを見るためのスマホがきちんとテーブルに固定されていたり、休み時間が5分間で、森先生が別室に移動して、ガチで生徒だけだったり、いろいろと模索しながらの第3回。

一時限目は、前回と同様の、「自分の課題を自分で決めよう」のコーナー。

今回から山出生徒会長によるジャッジシステムが導入されましたが、会長は「自分が今知っている一番難しい漢字」を必死で思い浮かべておられ、三人の話はわりと上の空。

今回の三人は、前回の反省を踏まえているのか、「努力してなんとかする」系……あれ教育委員長どうだったっけ……だったので、番組で披露されるのが楽しみですね(そーですね)。

二時限目は、「食レポを体験しよう」のコーナー。

食レポのポイントを大喜利的に出し合って、某『ブランチ』で活躍された方(すみません、知りません……もう十年以上『王様のブランチ』見てないもので……)が見本を見せるVTRが流れ、何と一人ずつ別室に移動しての食レポチャレンジ。

メニューはくじで決まるのですが、日髙さんは豆腐ハンバーグ、山出会長はどら焼き、八木さんはグリーンカレー(……小五には辛すぎないだろうか……)、大トリ(オチ)の麻生さんは大根おろし、と結構スタッフの恣意的な何かがありそうな……いえいえガチでしょうきっと。

 

いやよかった……今回はとにかく、八木さんとそれを見守るお姉さん集団、という感じで満点だったのではないかと。

八木さんはきちんと初々しいですよね……2010年度にこういう番組があったとしたら……ゆいもあさんはもっと弾けていたんじゃないかと思います(小学生の、タブーのない感じが前面に出てたのではないかと……)。

 

結局Twitter連携がよくわからず、ツイートしてみたもののよくわからず、このブログにも表示させてみたもののよく考えるとたまに穏当じゃないこと書いてるしなぁ……TwitterTwitterだけにしておいたほうがいいのか(どうせフォロワーなんて増えないから放置なんですけど)。

 

2016年度卒業公演をタワレコで予約すると、B2ポスターがもらえるそうですよ。

正直、ポスターはもう私の部屋には……なので、アスマートのパンフレットを楽しみにしておきます。

 

さて、憂鬱な火曜日に立ち向かわないとですね……。

楽器に挫折しつづけるおっさんのふとした悩み

また48か49の握手会で騒動が起こったようで……手荷物預かり所とか作るしかないんじゃないのかな……フェスみたいに……運営側がいくら人員増やしても、防ぎきれるものではないと思いますし……なんか、10代の女子が自分江選んだ道とはいえ、そんな目に会うのは不憫でなりません……。

 

さて。

私は、恥ずかしながら幼少期にピアノをかじり、そのまま惰性でしばらく続け、バイエルもツェルニーもろくに弾けるようにもならず、ちびちびとハノンを練習しながら、ええと、「エリーゼのために」は弾いたような気がするんですが何しろ記銘力が乏しいもので覚えておらず、クラシックはあきらめてポピュラーに移って、クレイダーマン奏法とかに萌えたりもしましたが結局身にならず、そのうちに首やら肩やら肘やら指やらをやらかして動かなくなってきて、ようやく惰性を断ち切った、という音楽経験の持ち主です。

ギターはというと、高校生くらいのときに友人からグレッチのフライングVモデルを譲ってもらい、独学で……今まで来ています。

数年前に、「よし、もう一度ギターを!」という思いで、テレキャスターを購入。

 

 

数年眠らせる。

 

 

最近、和楽器バンドやBABYMETALを聴いていて、「やっぱり弾きたい!」と思い直して、絶賛練習中です。

 

そんなおっさん、音とか音階とかを、ピアノで覚えています。

私、ASD系に脳の偏りが強いもので、視覚優位の傾向です。

だから、ピアノで音を覚えるというのは、非常に理にかなっていました。

何故かというと、1オクターブの音が、全部、視覚的に「異なる音」として認識できるからです。

 

・白鍵と黒鍵にわかれている

・音によって鍵盤の形が違う

・同じような鍵盤の形でも、左右の鍵盤とセットで覚えれば、全部違っていることになる

 

ドレミファソラシド、をピアノの鍵盤で頭にぶち込んでいるのです。

 

で、これがですね、記銘力が弱いと描きましたが、こう、しっかり定着しちゃうと外せないものででして、しかも、同じ事柄(音)に対して別々のアプローチをする、という器用なこともできない脳みそらしくて(外国語が苦手なのもその辺りにあるのかな、と)。

ギターを持って二十年以上、未だに、

 

・なぜ、フレットが白鍵と黒鍵にわかれていないのだろう

 

と真剣に思います。

ギターのフレットは、どの弦でも半音ずつで切られています。

ピアノなら白鍵、黒鍵で分かれているものが、白鍵だけでズラーっと並んでいる感じ。

しかも、重なり合っている……ヤマハのエレクトーンは二段になっていたりしますし、オルガンにもそういうものがありますが、イメージ的には、白鍵だけの鍵盤が6段並んでいる。

 

分かりづらい。

 

ギターにはギターの音の覚え方、指板の覚え方があるのは、もちろん承知の上です。

それでも、あえて言いたい、「分かりづらい」。

だって、見ても、板しかないんですよ、板しか。

コードはとりあえずいいんです、指の形とか響きで覚えるので。

メロディっぽいものを弾くときに、ほぼ確実に間違えます。

これがせめて白鍵と黒鍵に分かれていれば……引いたらダメ(汚い響きになる)音が見てわかるのに……。

 

そんな脳みそですので、この間までさくら学院の「負けるな!青春ヒザコゾウ」のイントロのギター部分を耳コピしていてですね、ほぼ音はとれるんです(多分、ちょっとフラットしてとっているので、本当は半音上かもしれないですが)。

長いフレーズでもないので、覚えるじゃないですか。

で、ギターを持っていざ弾こうとしても、音が見えないので、全然違っている(違っているのはわかるんです)。

「あれ、ここはこの音じゃないっけ……」などしばらく奮闘し、もう30回くらい聴き直して(メモとればいいんですけどそこまでの時間もなくて、車の中で繰り返し聴いていました)、「よし、今度こそ」……でも、やっぱり弾けない。

しょうがないので、鍵盤を出すわけです(スマホのピアノアプリです)。

そこで、鍵盤で音を出す(というより、音を見る)、そしてそれをギターの指板に置き換える、という作業をして、ようやく弾ける……ということになります。

音を追っているときに、見えているのがピアノの鍵盤で、ギターの指板ではないのです。

ピアノ→ギターの変換を脳内でできればいいのですが、そこまで器用じゃないらしい。

 

あと、ギターとピアノの大きな違い、というのが、音を拾うときに邪魔をすることがあります。

いえ、音に虚心でとれるくらいの音楽戦闘力があれば別にかまわないんですが、私はスカウター使うと多分一桁なので。

オクターブの認識が、多分ピアノとギターでは大きく違っているのだと思います。

ピアノのオクターブ(以上)の音の間隔というのを見て覚えている私には、開放弦を使ったオクターブ移動という発想がそもそも出てきません(ライトハンドなんてもってのほか)。

ピアノは基本的に、左手で和音(伴奏)、右手で旋律を弾くもの、として覚えますので(バッキングだと、左手ベースで右手コード、とちょっと違いますが)、そうすると、旋律の中でですね、二つの音の間が1オクターブ以上開いているというのはほぼあり得ないわけで。

だって、届かないもの。

ピアノの挫折ポイントの一つに、「1オクターブを押さえられない」というのがあります。

曲によっては、1オクターブでトリルとか……なんだその地獄……あったりしますし。

届かなくてももちろん上手になれますけど、届くに越したことはないです。

そういう認識なもので、ギターでですね、同じ弦のですね、12フレットを弾いてすぐ開放弦を弾けばオクターブ弾けちゃうとかですね、複雑な旋律の中に開放弦が混じることでピアノでは想像しがたい旋律が弾けちゃったりする、なんていうのがよく理解できておらず。

そうすると弾きたいフレーズ(速弾きは無理ですよ)の耳コピしてみようと思っても、「あれ、何この音?」ってなってしまうことがあります。

音の飛び方がピアノではありえない(わけではないのですが、私くらいのピアノ脳みそだと)。

で、しょぼーん、と。

 

……そもそもピアノの脳みそがそこまで優秀なわけではないですし、ギターはギターの脳みそでプレイするべきなのですが、音、音楽という点で共通しているものに対するアプローチをごっそり変えるのが難しく、それもおっさんになってからだとねぇ……。

というわけで、今は指板上の音をなんとか全部覚えなければ、と頑張っているところです(半音下げチューニングとかしたら無駄になるのかな……)。

うーん、タブ譜が実はいけないのかもしれないなぁ……あれで音を覚えよう、っていう感じにならないからな……。

 

未だにアームのついたギターを弾いたことのないおっさんでした。

 

 

 

(以下駄文)

 

もうすぐ、さくら学院2016年度卒業式のDVDが発売ですが、先日のブログで山出生徒会長が、Amuse Fes.で「負けるな!青春ヒザコゾウ」を披露されたと書かれており、「ああ、それは観たかった」と心底思いました……在校生だと先頭は岡田愛さんかな……それはそうと、7thアルバムのブルーレイの方の特典に、2016年度の学院祭の様子が収録されていて、そのダンスがすごいんですよね、何か……ダンスユニットとしての完成度が高い。

……他のダンスユニットのことはよく知りません。

一人水野由結さん聖誕祭で2011年度の卒業公演を観ていたもので、「Fly away」の、なんでしょう、躍動感?、が2016年度はすごいなって……まあ小屋の大きさとかカメラとか、いろいろありますから一概に比較しても仕方ないですが(2011年度がちゃんとしていないわけでもないです)、さくら学院の歴史として、今はダンスが進化している時期なのかな……と思ったりしています。

だから、毎年の学院祭の、歌パートだけでもいいから発売してほしいなぁ……他の企画はいいんです会場に行った父兄さんのもので……あと『秋桜学園合唱部』はいつ再プレスになりますかアミューズさん。

待ってますよ……ずっと待ってますよ……。

 

 


さくら学院 7th Album「さくら学院 2016年度 ~約束~」ダイジェスト映像

 

『リベルタスの寓話』島田荘司

 

リベルタスの寓話 (講談社文庫)

リベルタスの寓話 (講談社文庫)

 

 

『星籠の海』が公開され、それほど話題になることもなく消えていったというのが非常に惜しい昨年……いや、面白かったと思うんです、地味だけど(派手な部分もありましたけど、映像化するには島田作品としてはパンチが薄いですよね……やっぱ『斜め屋敷』……)。

人気俳優を配しても、御手洗潔はなぁ……と思わせてしまった何かがあるのかもしれないです。

『星籠の海』の小説の方は、本格社会派の御大だけあって、現代的おとぎ話もSFも詰め込んだ、拡散気味の物語で、面白かったと思うんですけどね……『龍臥亭事件』ほどかと問われればそうではないかもしれないですが……スケール感はあんな感じですよね大抵……あ、『水晶のピラミッド』があるじゃないですか……いやレオナこそ誰が演じるのか……ともかく、小説で変わらず御大の巨大妄想と超絶物理トリックを炸裂させてくださるのは非常にすかっとします(テーマは、重いんですけどね……)。

で、『リベルタスの寓話』。

二本の中編が組み合わされて、一つの本を作り出しています。

「リベルタスの寓話」のほうは、ボスニア・ヘルツェゴヴィナで起こった凄惨な切り裂き殺人事件の謎を解くお話。

被害者の内臓は、心臓以外が取り除かれており、代わりに電球、飯ごうなどのガラクタと思われるものが詰め込まれていました。

どうやらこれは、「リベルタス」という人形を模したものではないか、と。

ドゥブロヴニクの総督官選挙の際、その公平性を保つために導入されたブリキの着ぐるみのような「リベルタス」(中には子供が入っており、選挙に使われる玉を移動させる。すり替えなどが起こらないようにするための着ぐるみで、偏見の希薄な子供が使われたのはドゥブロヴニクが中世から国際的な都市国家だったから)。

かつて、「リベルタス」として少年が蘇り、神の敵に打ち勝ったという寓話が残されていたのでした。

それを模したと思われる凄惨な死体を作り出した容疑者はわかっていたのですが、極めて科学的な証拠(現場の血痕が容疑者の血液型と一致しない)によって逮捕ができない。

動機もあり、技術的にも可能な容疑者以外に、誰かそれを成した人物がいるのか。

 

この「リベルタスの寓話」の間に、「クロアチア人の手」という中編が挟み込まれています。

こちらは、日本を訪れていた俳句好きのクロアチア人二人のうち、一人が密室で殺害され、一人が爆死する、というとんでも事件です。

爆死……なかなか見ない言葉です。

「リベルタスの寓話」にはスウェーデンのジャーナリストであるシュタインオルトが、「クロアチア人の手」には石岡君が登場し、もちろん御手洗潔も大活躍です。

 

「リベルタスの寓話」は、本格にすれている人が読めば、ある程度の目星がつくトリックが使われているのですが、まあ世の中には◯◯のために◯を◯◯す犯人がいるくらいですから、猟奇的とも言えないのかもしれないもので、島田流新本格の真髄、非常に現実的なある種の行為と、幻想的なものがあいまったときに生じる強烈な物語、がここに存在します……と言いたいところですが、今回はちょっと弱いかな……いえ嫌いじゃないですけど。

現場の状況から犯行を再現していく御手洗潔の手腕は相変わらずお見事ですが、欧州に渡って以降の御手洗がそうであるように今回も基本的に電話での登場、なので最後まで御手洗には見えていないものがある、というところで物語への余韻が生まれています。

そして、いち早くではないにしろ、新本格生みの親ですから、オンラインゲームも取り込み、さらには仮想通貨まで……この辺りがどのように絡んでくるのかはお読みいただけるとよろしいかと。

島田流新本格のいいところは、緻密に構成されているのに、どこか大味なこと……かもしれないです(私のイメージです)。

クロアチア人の手」は、一見「リベルタスの寓話」とは関係ない感じですが、背景としている民族紛争や、とあるガジェットが……私、これを読んだときにあれを思い出しました……けどそれを描くとネタバレになるのでやめます……一発でバレます……オーッバーラップします。

日本の芭蕉記念館というところが舞台(モデルの建物があるのかな?)なんですが、部屋の構造的に「それ、今大丈夫?」って感じだったりします(自信満々なので、多分似たようなものが存在するのでしょう)。

プロットの妙、というのもありますかね。

何気に、こっちのが好きだったりします。

タイトルは「リベルタスの寓話」の圧勝。

 

やっぱり、島田荘司くらいは全部読み倒しておきたいなぁ……『ハリウッド・サーフェスティケッド』とか、何年捨て置いてあるのか……。

 

 

「「人間、成長などしてはいないのだ。原始時代と同じだ。あそこから、一歩たりとも進んではいない。人は動物なのだ。殺し、犯したいだけの獣だ。言語や神話や宗教や、愚にもつかないことで簡単に殺し合う。そして理由を後で考える」」(p170)

 

「「……そしてこの戦争は、ゲームじゃない。相手民族を抹殺しようとする、極限的民族愛の産物、つまりは正義の信念だ。時に応じて簡単に消えたり湧いたりするものじゃない。そうなら怨念もまた、永劫消滅などしない。」」(p424)

 

『暗号解読』サイモン・シン

 

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)

 

 

 

暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)

暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)

 

 

よく読まれてますねぇ。

何を思ったか、購入してみて、なかなか読み進められなかったのですが、昨年の10月頃に一気に読んだんだったと思います(うろ覚え)。

内容といえば、古典的暗号(カエサル暗号)から始まり、様々なエピソードに添えて世界史的事件の裏側で暗号がどのように扱われてきたか、が書かれています。

スコットランドのメアリ女王のケース、ルイ14世と鉄仮面、バベッジ機関、暗号機とその頂点とされるエニグマ、未解読の古代文字を暗号とみなせば線文字B、そして量子暗号……とまぁ暗号の仕組みがこれでもかと紹介されていて、正直頭が痛くなります。

しかも、読者への挑戦つき(それもガチすぎる暗号なので……すでに2000年の段階で解かれているそうですが、この本で使われている暗号の仕組みを総動員して、さらにそこに何かひらめきがないと解けないもの……なのかな)。

ミステリ好きなら読んで損はないと思いますし、自分でもいくつか考えたりしたいと思ったりもするかもしれないですし……現実世界の暗号は、ミステリのように解かれることを前提に考えられていないので……いや待て現実の暗号だってしかるべき人間には解かれるように作られているはずだが……そうか、読者を想定していない、ということでいいのか……ま、ともかく、読み終えるとちょっと賢くなったように思えますが、雑学的に扱うには内容がガチすぎるのでやめたほうがいいかもしれません。

 

ムスリム文明は、暗号解読法にとって理想的な揺籃だった。というのも、イスラム唯一神アッラーに絶対的に服従すること)は人間活動のあらゆる分野に正義を求めたが、そのためには知識(イルム/努力によって習得される知識)がひつ王だとされていたからである。ムスリムは誰もみな、あらゆるタイプの知識を追求する義務を負っている。」(上、p45)

 

神に仕える、というだけで誇り高くあった時代が……。

 

「暗号について書かれた西洋の書物として知られている中でもっとも古いのは、十三世紀イングランドフランシスコ会修道士だった万能の才人、ロジャー・ベーコンによる『秘密の技法と魔法の無効性についての書簡』である。この書にはメッセージを秘密にするための七つの方法が説明され、それとともに次のような警告がなされている。「一般大衆の目から隠しもせずに秘密を書くものは、頭がどうかしている」」(上、p66)

 

もうなんか、書簡の名前とロジャー・ベーコンってだけでくらくらします。

 

バベッジが取り組んだ問題は、科学や工学の領域にとどまらない。かつて郵便料金は、手紙を送る距離によって定められていた。しかしバベッジは、手紙ごとに料金を計算する労働コストは郵便料金を上回ることを指摘し、全国どこでも均一料金で手紙を送れるという今日のシステムを提案したのだった。」(上、p133)

 

バベッジすげぇ。

 

「ホールが英国外相アーサー・バルフォアに手渡した電報は、こうして入手したメキシコ版だった。二月二十三日、バルフォアはアメリカ大使ウォルター・ページと会見し、ツィンマーマン電報を見せた。後にバルフォアはこのときのことを、「私の人生で最高にドラマティックな瞬間」だったと述べている。それから四日後、ウィルソン大統領は自ら「雄弁なる証拠」と呼んだものを目にした。ドイツは、アメリカ本土を攻撃させようとしていたのだ。

ツィンマーマン電報は新聞に発表され、アメリカ国民はドイツの腹の内を見せつけられた。アメリカの世論は断固報復すべしというものだったが、政府内には一抹の不安があった。その電報は、アメリカを戦争に引き入れようとするイギリスのでっち上げかもしれなかったからである。」(上、p210)

 

疑心暗鬼。

 

「暗号機としてもっとも古いものは、十五世紀イタリアの建築家で、多アルファベット暗号の生みの親の一人でもあるレオン・アルベルティが発明した暗号円盤である。」(上、p229)

 

「暗号機」……かっこいい(中二病的に)。

 

チューリングはこの目標に奮い立ち、一九三七年、「計算可能な数について」という、彼の仕事の中で最大の影響力をもつことになる論文を発表した。チューリングの生涯を描いたヒュー・ホワイトモアの劇『暗号を破る』の中で、登場人物の一人がチューリングにその論文の意味を尋ねる。チューリングはこう答えた。「これは、正しいか、間違っているかに関する論文だよ。一般的な言葉で言えばね。数理論理学の専門的な論文だけれど、正しいことと間違ったことを区別するのは難しいという話でもある。人はーーたいていの人はーー数学においては何が正しくて何が間違っているかは常にはっきりしていると思っている。だが、そうじゃない。これからはもう、そうじゃないんだ」」(上、p301)

 

数理論理学の本を買ってあります……積んであります……。

 

「たとえば一六五二年にはドイツのイエズス会アタナシウス・キルヒャーが、寓意的な解釈による『エジプトのオイディプス』という辞書を出版し、それを用いて荒唐無稽な翻訳を行った。例えばキルヒャーは、わずかばかりのヒエログリフを(今日のわれわれは、それが「アプリエス」というファラオの名前にすぎないことを知っている)、なんと次のように翻訳したのである。「聖なるオシリスの恵みは、聖なる儀式と一団の霊によって招来されるべきものであり、その目的はナイルの恵みを得ることにある」現代のわれわれの目には、キルヒャーの翻訳は馬鹿げたものに見えるけれども、彼の翻訳が解読を志す者たちに与えた影響は甚大だった。キルヒャーは単なるエジプト学者にとどまらず、暗号に関する本を書き、古代の楽器エオリアん・ハープ(風琴)を復元し、映画の先駆けとなる魔法灯(ラテルナ・マギカ)を発明し、ヴェスヴィオ火山の火口に降りて”火山学の父”と呼ばれた人物だった。」(下、p34)

 

天才も人ですから、間違いもあるでしょう。

厄介なのは、「天才だから間違えない」と思っている凡人どものほうですね。

 

「警察が恐れるのは、インターネットと暗号の使用により、犯罪者間の通信および協力関係が助長されることである。とりわけ、もっとも暗号の恩恵を受けると考えられている”情報黙示録の四騎士(麻薬の売人、組織犯罪、テロリスト、小児性愛者)”の暗躍が懸念されている。」(下、p205)

 

始まってます。