Xenakis: Les Percussions chez Xenakis
- アーティスト: Pedro Carneiro
- 出版社/メーカー: Zig-Zag Territoires
- 発売日: 2011/10/03
- メディア: MP3 ダウンロード
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なぜかアマゾンではCDが検索できなかったので、MP3を。
輸入版で、ぱっと見どこの国で発売されたのかもよくわかりません。
ブックレットがスペイン語かポルトガル語なので、どっちかだと。
収録曲は「Okho pour trois Djembes」「Rebonds B pour "set" de precussions」「Rebonds A pour "set" de percussions」「Psappha pour "set " de percussions」。
作曲はイアニス(ヤニス)・クセナキス、メインの奏者はペドロ・カルネイロ。
現代音楽において、数学的手法を用いて作曲をしたというイアニス・クセナキスの曲がとにかく聴いてみたかったので、店に置いてあった唯一のCDを手に取ってみたら、なんとパーカッションの曲だったという。
どうやらル・コルビュジエの弟子で、建築と数学を勉強したらしいクセナキスさん、そこから音楽に移行したところ、グラフで曲を作るという余人には全く理解できない方法を編み出したそうで(こうした書き方も、おそらく間違いが多すぎると思うので、気になる方は文献を当たりましょう)。
自在に音を操れる電子音楽でもその手腕を発揮したそうで、となるとテクノやミニマルとも何かしらかぶる要素があるのではないか、と思います。
でも、なぜか持っているのはこのパーカッションの作品。
ううん……いえ、打楽器はデジタルでの配列にもっとも馴染む楽器だとは思いますので……いややっぱりわかんない。
作曲の背景を知らなければ、それぞれの曲には叙情性があって、何かしらのストーリーが見えてきそうに思うのです。
でも、それがもし、単なる方程式から生み出されたグラフによって展開されている音だとしたらどうなのでしょう。
結局は、受け手の身勝手さが妄想を喚起するだけで、作り手の意図なんてどこかに飛んで行ってしまうのでしょうか。
それとも、プログラムがランダムにはじき出した音の配列、その混沌こそがクセナキスさんの意図するところなのでしょうか。
猫がコンピュータのキーボードを叩いて生み出された文章を、「これこそが傑作だ!」と思えるとしたら、それはもう狂人の域だと思いますが、そこが文学と音楽の違いなのかもしれません。
実際のところ、静謐さの中で淡々とくり出されるパーカッションの打音は、ミニマルと呼ぶにはパターンが少なくて、繰り返しを嫌うプログラムでも入ってるんじゃないかと思えるような物語性を感じます。
落ち着かないですけど。
オーケストラとかピアノのために書かれた曲も聴いてみないとなぁ……。