さて。
8月29日、人間椅子さんの『恩讐の彼方』ツアー名古屋公演に参戦してきました。
特に予備知識もなく、ほぼにわかな状態での参戦。
あ、いえ、ベスト(20周年、25周年)、ライブアルバム、ライブDVD、『異次元からの咆哮』、MV集『おどろ曼荼羅』、は持ってます。
しかし、来年30周年の重みはまだまだ実感できておらず……ともかくライブを体感したかったもので。
10年ほど前でしょうか、とある理由で『怪人二十面相』を購入して、そのときは「ああええな〜」くらいだったのですが、『異次元からの咆哮』と付属のライブDVDを見て「やべえかっこええ」に変わり……昔からお名前は存じ上げておりましたが(イカ天世代ですので)、このかっこよさがわかるまでに時間がかかったなぁ……と。
(※以下「続きを読む」を設定します※)
ともかく、初の大須E.L.L.に向かったのです……暑……名古屋にいながらE.L.L.に行ったことないなんて、と不明を恥じております。
音響のことはよくわからないのですが、非常に見やすいライブハウスなのですねぇ。
フロアの高さが4段階くらいになっていて、どこにいてもステージが見やすかったです(まあ、基本私は無駄にでかいので、後ろの方でじっとしておりましたが)。
開演前客入れのBGMは、私が入ってからはほぼディオ様が歌っておられましたな……「Man on the silver mountain」は覚えているのですが、サバスもレインボーもソロもあったような気がします。
OPは、予習しておいたライブ映像の通り、「此岸御詠歌」です(これだけで、ちょっと感動)。
(※以下、にわかなので曲名が覚束ない部分があることをご承知ください……あとMCの内容は記憶によるので間違いがあったらすみません※)
一発目は、これもライブ映像(あれ、どれだっけな……)で予習した「鉄格子黙示録」、いやかっこいい……本当に3人で出してるんだなぁこれ……2曲目が、知らない曲でした……。
鈴木さん「名古屋のみなさんこんばんは〜!人間椅子でぇす!(あ、なんかこの節回しだけでも感動したな……)今日は仕事帰りでお疲れのところ足を運んでくださりありがとぅございます!」
MC、普通にやるんだな、ってライブDVD見たときに思ったんですよね……いえ、怪奇派だから、ちゃんとしたMCないのかなって思ってたので……。
鈴木さん「今回のツアーは、毎回来てくださる熱心なお客さんに感謝の気持ちを込めまして、来年30周年を前に、普段はやらないレアな曲を今のうちにやっておこうと(歓声)。ポカーンな人もいるかもしれませんが」
……ポカーンな人です。
最初に見るライブ間違えたんじゃないのか俺……。
和嶋さん「今回のツアーは、『恩讐の彼方』、感謝と恨み、そういうものを突き抜けた先に新たなものができるんじゃないかと」
……うーん、ここの和嶋さんのMCは全然違うと思います。
鈴木さん「我々、いろいろな小説からタイトルをいただいて曲を作ることが多いのですが、中でもアメリカの、H・P・ラブクラフトという小説家のタイトルが多いです……その中でも、次は「時間からの影」という曲を」
おお、これもちゃんと予習しておいたおかげで堪能できましたよ……いかんな、初体験で一曲一曲の印象が記憶とマッチしない……聞き込みが足りない……次は未聴の曲で、スペーシーな感じだったかと……あれ、テルミンは「時間からの影」で大活躍でしたか……なんというのか、日本であれだけテルミンを巧みに操るロックアーティストはいないですよね、すごい。
鈴木さん「今のは、「夜間飛行」という曲で、『三悪道中膝栗毛』というアルバムに入っているんですが、歌詞が気に入ってるんです。和嶋くんが書いたんですが、とにかく、”UFOは昔から来ていた”ということを、あらゆる角度から表現を駆使して、それだけを言っている……それだけって失礼ですが(笑)」
和嶋さん「いや、そうですよ。だって、”神の国が近づいている”ってことを手を変え品を変え言ってるのが、聖書ですからね!……だからなんだって話ですが(笑)」
鈴木さん「ですので、少しくらい歌詞を間違えても、文章の意味は変わらない、便利な曲……今まで、一度たりともちゃんと歌えたことがありません!」
深い……(?)……そういう作詞方法もあるのか、すごいなぁ……アルバム買わないと(メモメモ)。
ここから、長いMCタイムだったかな……さだまさしか松山千春かっていう……いや、全然楽しいんですけど、世代なのですかねぇ……年齢かな……。
和嶋さんからは、「30年ロックをやってて、みんな50歳超えてて、未だにこんな顔して音楽やってる、どこか頭がおかしくないと続けられないですよ!」という話題から、鈴木さんが高校生くらいの頃、地元弘前にやってきた「新日本プロレス?全日本?」のアンドレ・ザ・ジャイアントにどうしても触りたくて、「抱きつきに行ったんでしょ?」という話題が。
鈴木さんは「実際には触れなくて、若手の人4人くらいに取り押さえられて、もうジャンパーがびりびりに破れて、「あいつ頭おかしいんじゃないの?!」って言われた」そうで、そのあと、「お母さんに縫ってもらったんでしょうねぇ、つぎはぎだらけのジャンパーをうれしそうに”アンドレに触ろうとしてこうなった”って30歳くらいまで来てましたからね。まあ、そんな頭のおかしい人だから、この人とバンドやろうと思ったのかもしれません」(和嶋さん)。
……当時のアンドレとか、タイガー・ジェット・シンとかはねぇ……マジでヤバいときがあったらしいですから……そこに突っ込んでいくのは確かにちょっと……。
で、デビュー当時、和嶋さんの隣で「ネズミ男がおかしな動きをしていて」(和嶋さん)、「あれは、昆虫の動きを参考にしたんです」(鈴木さん)、「ナナフシの動きを取り入れたんでしょ?その発想がもうおかしい」(和嶋さん)、という……で、実際に妖しげな横方向に揺れる動き……アクセプト?……なんか、癖になる動きですね。
で、ナカジマノブさんは、みんなで弘前のねぷたを見に行ったときに、「ヤーヤドーっていうかけ声があるんですけど、普通地元の人は、見ているだけなんですよね。でも、ノブくんは一人一緒になって「ヤーヤドー」って叫んでたんです。あれには地元の人もびっくりです、あんな見方する人は頭おかしい」(和嶋さん)、「でも、あれ見ていたら、すごいエネルギーで、叫びたくなっちゃいますよね」(ノブさん)、「新しいねぷたの見方が生まれましたよ」(和嶋さん)……兄貴、かっこいい。
和嶋さんは、この夏暇だったので、バイクで弘前に帰ってねぷたを見て、そこからバイクで帰る(125CC)のに、ちゃんと天気予報を見ていたのに、秋田辺りから雨雲におっかけられるという……「……あまり面白くなかった(笑)」(和嶋さん)。
私の友人は、東京から九州までカブで帰りましたね、そういえば……弘前まで行く時点で頭おかしいと思います、大丈夫です(?)。
和嶋さん「周りを楽しませようと思うと、それがおかしな行動につながる、でも楽しんでもらえればそれは芸術になる、そんな、おかしな詩人の悲哀を歌った歌、アルバム『未来浪漫派』より「塔の中の男」!」
むむ、また未聴の曲だ……勉強せねば(メモメモ)……かなり複雑な展開の、長い曲だったと思います……。
鈴木さん「人間椅子の曲には、レギュラーチューニングの曲と、一音半下げチューニングの曲があるのですが、なぜ一音でも二音でもいいのに、一音半下げなのかというと?」
和嶋さん「ぼくらの神と崇めるブラックサバス!が一音半下げだった……ただそれだけの理由です!まあでも、今でこそドゥーム系のバンドなんかで下げてるバンドも多いですが、やり始めた頃はほとんどいなかったですよね」
鈴木さん「二音だと、なーんかだるぅーんってなるよね」
和嶋さん「何か違うんですよね」
一音半下げ……弦のテンションどうなってるんでしょうかね……半音下げすらやらないもので(ギターが何本もないので、チューニングしなおすのが大変だから)。
次の曲は、「人間椅子で唯一、ベースが一音半下げで、ギターがレギュラーという特殊な曲です。なぜそうなったかというと、(フレーズを口ずさんで)ってところを、それぞれ解放弦で弾きたかった、というただそれだけのためで」(鈴木さん)、「前半は、一音半下げのほうが弾きやすいんだけど(笑)」。
というわけで、「どだればち」という、これまた未聴の曲……(メモメモ)……鈴木さんのおっしゃるところがどこか今一つわからない残念な耳よ……私はリフを聞き分けられないんだろうなぁたぶん……で、けっこうな長さのギターソロがあったのかな……。
和嶋さん「あの、普段インプロのある音楽を聴かない方には、なんちゅー長いソロだ、と思われるかもしれませんが、元々、70年代のハードロックではこれが当たり前で、どうしても長くなってしまう……けれど今日はちょうどいい長さだったかと……長いことやってるから、みなさんの心の声がね、「早くやめろ!」って聞こえてくるようになったんじゃないですか(笑)」
鈴木さん「早くというか、このあたりでやめとけばいい感じじゃないのかなっていう」
和嶋さん「でもこれは、僕らは伝統芸能としてですね、続けていきたいと思います!」
そうですよね、昔のパープルのライブ音源とか、ロードさんとブラックモアさんが延々バトルをしてたりしますからね……あれはあれで、ちょっとひりつく感じもあって、またジャズのインプロとは違った緊張感ですよね。
和嶋さん「あの、セックス、ドラッグ、ロックンロール、なんて、やさぐれてるのがかっこいいみたいなこと言われますけど、あんなの保って3年ですから、あとは体を壊すだけです。長く続けていくには、健康が一番。こうして健康で音楽ができるってなんて幸せなことなんだ、と。親戚が亡くなったりしているのでね、肉体があって、ギターが弾けることがどんなに幸せか。みなさんも、歩いてライブにこられるのは幸せなことだと思います。長いことやっていて、苦しい時期もありました、僕と鈴木くんなんてバイトばっかりやってることもありましたから。その頃はね、やさぐれてお酒ばっか飲んでましたよ」
……うん、やっぱりロッカーなんですな、和嶋さんも(ちょっと、今は達人入ってるので、想像できないですが)。
で、誰かの誕生日会か何かで飲んで、その帰りに、「ノブくん、僕歩いて帰る!って言ったよね?で、家の反対方向に向かっていった」(和嶋さん)、「そうそう、その頃和嶋くんと僕の住んでたところって、歩いて帰れるような距離じゃないの。で、最初はそっちに向かっていったんだけれど、いつの間にか全然違う方行っちゃって」(ノブさん)、「世田谷区をさまよってました。で、ひとのうちの庭で寝ていて、そこの若夫婦に「あの、救急車呼びましょうか?」って言われまして(笑)」(和嶋さん)……若い頃って誰にでもあるんですねぇ。
そんな頃の気持ちを歌ったのが「野垂れ死に」……すげぇ、そのまんまだ……かっこいい……未聴ですが(メモメモ)……そこから、次の曲は「ダンウィッチの怪」、ををラブクラフト……。
鈴木さん「この、「ダンウィッチの怪」という曲、今後あと10年はやらないだろうと思います」
和嶋さん「だって、今回やったのも10年ぶりくらいですからね。あと10年ったら、僕ら60超えてますよ?」
鈴木さん「還暦超えたらやります(笑)……さっきも言ったんですが、これもラブクラフトの作品をモチーフにしていて、なんでしょう、ラブクラフトの小説は訳のせいなのかな、すごく読みづらい」
和嶋さん「原文の雰囲気を残そうと思うとああなる、って訳者のかたが言ってましたよ」
鈴木さん「その中でも、この「ダンウィッチの怪」と「インスマウスの影」は比較的読みやすいです」
和嶋さん「娯楽小説ですからね!ロマンスの一切ない娯楽小説!いいと思うな〜」
ラブクラフトの話がこんなにも出るライブも他にないでしょうな……そして、「最新の、小説のタイトルがついた曲、「命売ります」!」(和嶋さん)、でここからボルテージ上がる感じになります。
「芳一受難」は般若心経唱えたかったなぁ……(中途半端にしか覚えていない……)……そして生で「相克の家」、いいなぁ、展開が素敵だなぁ……。
続いて兄貴タイムだぁ、感動だ……それだけで感動……「今日はレア曲ばかりだけど、オイラはみんなで盛り上がれる最新の曲をお届けするぜ!」(ノブ)からの「悪夢の添乗員」!……いやぁ、いい曲……「Long live rockn'roll」っぽいところも含めて、いい曲……合唱できたぁ、幸せ……で、「恐怖!!ふじつぼ人間」、うひゃぁひゃぁひゃぁ……ひぃーひぃー……が生で聴けましたよありがとうございます……そして『異次元からの咆哮』から「超自然現象」、(パワー!)、本編ラストは「針の山」……怒濤のテンション爆上げラインナップ……。
アンコールでは、まずTシャツ紹介、「お、ノブくん、それスカジャンみたいだね!バックプリントが今回のツアーの日程になってるんだね」(和嶋さん)、ということでノブさんは背中を見せて、なぜか背中で手がくっつくか試しはじめて全然届かない、和嶋さんもやってはみるもののあとちょっと、のっそり出てきた鈴木さん、肩と腰にしか届かず。
鈴木さん「冗談だと思うでしょ?本気なんです」
和嶋さんが来ているのはヘビーライダーTシャツ、「こういう、曲モチーフにした、キャラクターのあるTシャツって珍しいですよね。今後も作っていきたいですね」(和嶋さん)、「僕、ふじつぼTシャツ作りたい(笑)。ふじつぼがびっしりの」(鈴木さん)、「それは……バカ売れするか、誰も買わないか、ですね!」(和嶋さん)、やべえほしいふじつぼTシャツ……全面プリントだったら、遠目から見たらただのドットなんじゃないだろうか……。
というわけでアンコール一発目は、みなさんにお中元ということで、『無限の住人』収録の「辻斬り小唄無宿編」!……未聴だ、でもなんか楽しかった記憶がある……(メモメモ)……からの、鈴木さんが舞台袖から、バイクのハンドルとライトを持ってきて、和嶋さんがアイドリングの音を奏でる中ひとしきりステージを闊歩しての「地獄のヘビーライダー」!!……いやぁいい……。
どうやら和嶋さんの手作りグッズらしく、「中古屋でいい感じのハンドルを見つけまして、そこにライトをくっつけて。光るのいいでしょ?でも、普通のライトだとバッテリー食っちゃうんで、安物のLEDですけれども」(和嶋さん)、「これも売っちゃえばいいんじゃない?」(鈴木さん)。
メタルでバイクといえば、やっぱりジューダス、でスタートは「ロブ・ハルフォードのようにバイクで登場したい……けどムリって言われて」(鈴木さん)、「だって誰もハーレー持ってないじゃない(笑)」(和嶋さん)、「それで、せめてハンドルだけでも……」(鈴木さん)、「ちょっと、お笑いみたいですけども」(和嶋さん)……ああ、いつもここからか……。
ダブルアンコールで、「なまはげ」……これは定番なのかなぁ、ライブDVDもそうだった……。
ラストのメンバー紹介は、Twitterにも上がっていたのかな……。
うーん、何か幸せ。
30歳を過ぎてから、自分より年が上の方のライブってたぶん初めて……なのに、あんなにパワー全開でロックされていて、すごいなぁ……自分もがんばろうって思いました。
いろいろ忘れていることもありますが……和嶋さんのMCが長くて、「鈴木くんが早く曲に行けって言ってる気がします」(和嶋さん)「お、僕の声聞こえました?!(笑)」(鈴木さん)とか……「これからも小説のタイトルをつけた曲を、死ぬまで作り続けます!」(和嶋さん)とか……30周年に向けて、しばらく会えないけれど「聴いたことがないような、恐ろしいアルバムを作ります!」(和嶋さん)「……(ベースをいじっている)」(鈴木さん)「(焦)あれ、作りますよね?」(和嶋さん)「……(はっ)すいません聞いてませんでした!(笑)」(鈴木さん)とか……アンコールのとき、鈴木さんの後ろ姿を和嶋さんとノブさんが拝んでいたなぁとか……。
レア曲中心の前半は、確かににわかにはハードルが高かったですが、長尺の曲の展開の妙が体感できて、70年代プログレのライブに迷い込んだような、不思議な世界観でした……3人でプログレ……あれ、途中でノブさんどっかで木琴たたいてなかったかな……クリムゾンもE、L&Pも3人ちゃ3人ですけどもシンセがね……円熟さと凄み、でしょうか。
で、後半の怒濤のようなハイスパート楽曲の数々、ベテランファンのみなさんには不満もおありかもしれませんが、いやよかったです……。
30周年記念のライブ、是非とも参加したいですな!
で、もうちょっと勉強しておこう……すみませんにわかで……。