『「微生物のおかげ」は美談でも何でもないのではないか?』
(BLOGOS 2015/10/6)
これが個人のブログなのか、それとも何らかの記事として扱っていいのかよくわかりませんが、前にも引用しているからいっか。
概ね、おっしゃっていることは納得できます。
ですのでまぁ、重箱の隅をつつくくらいのことしかできないんですけれど。
以下一部引用しつつ、印象論と感情論でツッコミを。
「一つはテレビが繰り返し
「去年の中村教授らに続いて日本人23人目の受賞で…」
と報じている点。
これらについては、ちょうど1年前にブログで何度か指摘しましたが、青色発光ダイオードの発見というとんでもないことを成し遂げた中村教授は、日本のシステムや日本の司法制度に絶望し、アメリカに渡った方です。現在は明確にアメリカのシチズンシップ(国籍)を取得しており、誰がどう見ても「アメリカ人」です。もともと日本人ですが、彼がアメリカに渡った経緯を見ても、一概に「日本人が受賞!」というのは、中村教授に対しては失礼に当たる気がしてならないのです。」
あ、この人はアメリカ人でいいと思います。
日本をぼろくそに言うだけの資格もあります。
でも、少なくとも、この人自身が、日本の基礎教育の中から出てきたんでしょう?
それとも、天才はどこに行っても天才、というのであれば、生まれた国の不幸を呪うしかないでしょうに。
親は選べないんですから。
そのあとで、アメリカを選べたんだからまだ幸運では?
今のシリアに生まれた天才は、世に出ることなく死ぬかもしれないですよ。
「そしてもう一つが、こちらも何度も繰り返しこのブログで指摘している「日本経済の低迷の根幹の理由」を、昨日からの大村教授の言葉や会見、それを報じるメディアの姿勢に感じるからです。
「微生物のおかげ」は美談でも何でもない
昨日のNHKニュース7は皆さん見ていたでしょう。大村教授の前に、3年前に同じくノーベル医学・生理学賞を受賞した京大の山中教授と電話がつながり。山中教授がこんな衝撃の話をしたのです。
「私は、とても恥ずかしいことに、大村教授のことを1年ほど前まで全く存じていなかったのです」
去年、別の方から大村教授の伝記本を渡され、それを読んで初めて「え?日本人にこんなとんでもない人がいるの?」と知ったというのです。大村教授ほどの実績を持っていたにもかかわらず。
世界で数億人の命を救う発明をした人よ??
日本以外だったら、テレビもメディアも、ノーベルがどうのこうの…という前に、かなりの大騒ぎになっている人物のはず。なんでこれほどの実績をお持ちの方が、誰にも知られず、普通の人だけではなく、同じ研究分野の山中教授まで知らなかったのか?」
私、山中教授のことだって知りませんでしたよ?
同じ研究分野ったって、細分化された今の研究分野の中で、お互いに知っている確率ってそんなに高いものなんですかね(それを検証していただきたい)。
「大村教授の伝記本」が去年出ているってことは、知っている人たちだっているわけでしょう?
広めようって人がいるわけじゃないですか。
だったら、山中教授の不見識にまず突っ込むべきでは?
それができないのは、山中教授がノーベル賞をとっているから?
なにそのダブルスタンダード。
で、あなたも含めたマスコミのみなさんは広めたの?
あと、「日本以外だったら、テレビもメディアも、ノーベルがどうのこうの…という前に、かなりの大騒ぎになっている人物のはず。」って、これ本当ですか?
日本以外のどの辺り?
「どうか感じてほしいのですが、あれほどの実績を残した方です。今回のノーベル賞の受賞はあくまでアフリカの伝染病に対する特効薬の開発でしかないわけですが、大村教授はほかにも本当にたくさんの開発をなされています。はっきりいって
超人的な天才
です。世界中で何億人が命を救われているのでしょう。「病気を治しました」程度まで含めてしまうと、何十億人が恩を受けているでしょう?
ものすごい人です。
とんでもない人です。
でも、これほどの人が、「謙虚に」「いや、自分なんて、自分ごときは…」という姿勢を見せることを、日本人は大好きです。もはや病的に好きです。
でも考えてください。
彼の実績はちょっと、異常なほどにとんでもなくすごい。人類の歴史を変えてしまっているほどでしょう。そんな人は、本来はもう少し堂々としていいし、堂々とするべきです。
もし、大村教授がアメリカ人だった場合「微生物に賞をあげたい」とおっしゃったら、その瞬間い笑いが起き「オームラはなんてウィットに富んでユーモアのあるやつなんだ!」と非常に好意的に受け入れられたことでしょうが、大村教授のは冗談でも何でもなく
日本人特有の「必要以上にへりくだり」「そうでもしなければ周りから叩きのめされる文化」が産んだコメント
でしかないのです。ここを真剣に考えたいのです。
冒頭でも書いたとおり、日本では昔から青色発光ダイオードの中村教授のように、自分の発明をアピールし、自分の権利を主張すると、周囲からは『異なるもの』として見られ、叩かれる文化が根強く残っています。」
そうですよ、それが日本という国ですから。
何言ってんの? という感じです。
それが異常かどうか、なんてそれぞれの文化基準でしか測れないでしょう?
それじゃダメなんだ、と100年足らずで文化が変わるとでも思っているんでしょうかね。
あ、でも別に私は、超天才は超天才らしく振舞ってもいいと思いますけれどね。
ただ言っときますけど、本当の超天才は、「そんなアホなことに執着しません」よ。
時間がもったいないから。
「日本人の大多数って
「大本営(おかみ)が一度決めちゃったことに逆らったり口答えすると、みんなで叩きのめす」
文化が根付いているんです。誰が正しいとか関係ないんです。おかみが「こうするんだ!」って決めたら、頭真っ白にして従わないとダメなんです。戦争するんだ!っておかみに言われたら「天皇陛下、ばんじゃーい!」って言いながら死ななきゃ、何故か全員から怒られるんです。ほんと、日本人って70年かけて全然成長していない。」
うん、だから良いこともあったでしょう?
戦後、あれだけの速さで復興できたのは、そのおかげでしょう?
それが得意な民族なわけで、「日本人って70年かけて全然成長していない」わけじゃないです。
そもそも、そうでない方向に行くことがなんで成長なのかを示してもらわないと。
「もうね、私は、この日本文化を引きづっている間は、日本の経済成長ってないと思ってるんですよね。アメリカがなんでこれだけ成長しているか?よく見てください。
ユーチューブ、作ったの誰よ?
マイクロソフト作ったの、誰よ?
アイフォン作ったの、誰よ?
グーグル作ったの、誰よ?
フェイスブック、作ったの誰よ?
古くは、エジソンは?ライト兄弟は?グラハム・ベルは?ヘンリー・フォードは?
世界を作り上げる、超天才はみんなアメリカ人なんです。それは、アメリカ人の教育と風土に由来しているんです。「異なるもの」を受け入れる文化。一部の英雄的な天才を認める文化。必要以上にへりくだる必要なんてなくて、「天才」は「天才」でいいんだって。くだらない嫉妬をしている人間のほうをみんなで恥ずかしいと思える文化。
スティーブ・ジョブズもエジソンも、マーク・ザッカーバーグもかなりの「変人」です。でも、変人だからって叩かない。社会としては受け入れるんです。人は肌の色と同じで色々でいいんです。
なので、アメリカは1%の天才がどんどんイノベーションを起こすんです。社会全体を変えてしまうから、成長するんです。
世の中なんて、平等なわけないじゃん。ごくごく一部の超天才が世界を作るんです。彼らは特別だから。その天才も、所詮は赤ちゃんから生まれてくるんで、その天才たちの芽を摘まないことが大事なんですけれど、日本は天才の芽は…
社会全体で「摘もう、摘もう」とするんです。
「異なるもの」だから。だって子供は平等だから~。だって、教育は平等だから~。現状維持のままのほうが楽だから~。自分の主張するなんて「異なるもの」だから面倒くさいから~。
んなこと言ってるうちに、20年間もGDPがほぼ成長しない、世界で類を見ない恥ずかしい先進国が出来上がったんです。この20年で、世界全体のGDPは3倍になってるのにね。」
「アメリカがなんでこれだけ成長しているか?」って、本当のこと書けば良いじゃないですか、まだアメリカの占領下にあるからでしょう?
だから、日本が飛び出すと叩かれてきたんでしょう?
で、アメリカの国力が弱まったから、日本バッシングが起こらなくなったんでしょう?
単なるパワーゲームの結果じゃないですか。
まさか、アメリカがこの70年で成長したとでも?
お笑いですな、単なる戦勝国の余裕じゃないですか。
それにね、軍事目的で技術革新にお金をつぎ込めるアメリカと違って、日本はそんなことは表面的にはできないわけじゃないですか?
宇宙開発って、ミサイル技術の転用でしょう?
インターネットも軍事技術でしょう?
「「異なるもの」を受け入れる文化。」は、必要に迫られてそうなっているだけで、黒人差別に移民排斥が日常茶飯事の国に対してよくもまぁそんなことが言えますな、と。
そりゃ日本よりは多少息苦しくはないのかもしれませんが、そんなこと全面的に信用できないと思いますよ。
「でも、変人だからって叩かない。社会としては受け入れるんです。人は肌の色と同じで色々でいいんです。」……だからさ、あいつらこの間まで「イエローモンキー」ってアジア人をクソみたいに扱ってたじゃない。
「黄禍論」って何だったのよ。
で、「肌の色は関係ない」って、黒人差別をしているわけでしょう?
大部分のアメリカ人がそうではないって?
でも、大部分のアメリカ人は、超天才でもないじゃないですか。
「変人だから叩かない」んじゃなくて、「白人だから叩かない」ってだけのことだったとしたら、それが日本よりマシってことになるんですかね?
そういうやつらが大部分の国が、マシな国なんでしょうかね?
「世の中なんて、平等なわけないじゃん。ごくごく一部の超天才が世界を作るんです。彼らは特別だから。その天才も、所詮は赤ちゃんから生まれてくるんで、その天才たちの芽を摘まないことが大事なんですけれど、日本は天才の芽は…社会全体で「摘もう、摘もう」とするんです。「異なるもの」だから。」……あ、これは同感です。
いいんですよ、99パーセントの凡俗は、天才のために日夜働いていればそれでいいんです。
天才の恩恵を受けて生活できればそれでいいんです。
はい、全く間違っていません。
で、今でもそうみたいなもんでしょう?
だから、平和なんですよこの国。
平均値の層が分厚かったんです。
そうじゃない人たちも、社会のどこかの層で回収されるような仕組みになっていたんです。
職人と、基礎教育の分野の幅が広いから、やってこれたんです。
でさ、日本が天才の芽をつみとろうとしているとして、なんでこの人みたいな天才が出てくるんですか?
そこ、矛盾してません?
この人が、つぶされないようにうまく立ち回ったってこと?
じゃあ、それでいいじゃん。
環境にあった生存戦略をとるのは生き物の基本でしょう?
「20年間もGDPがほぼ成長しない、世界で類を見ない恥ずかしい先進国が出来上がったんです。この20年で、世界全体のGDPは3倍になってるのにね。」……これ、数字の上げ方に問題がないですか?
先進国の定義がそもそも微妙ですが、他の先進国のGDPと比較してもわらないと困りますけど。
世界全体のGDPが増えたからといって、それが先進国のGDPの増加なんですか?
それに20年間GDPが成長していないってことは、その前に成長しきったってだけのことじゃないんですか?
もちろん、過去に描かれた成長モデルは幻想でしかないんでしょうし、対策を打ってこなかったこの国には問題がありますが、「成長し続ける国家」なんてあるとでも?
がん細胞?
「大村教授のニュースは素晴らしいニュースだと思いますよ?それは私もそう思っています。やはり、誇らしいし「評価されるべき方が評価された」のはうれしいです。でも、裏を返すと、これほどの実績を残し、これほどの天才を
「今まで」全然評価すらしてこなかった
という現実もとらえたほうがいい気がします。なんで、彼が80歳になるまで気付きもしなかったのか?なぜ、これほどの天才が、謙虚に、控えめにしなければいけなかったのか。大村教授の奥様はもうお亡くなりになってしまっているとのこと。本来であれば、何十年も前に、奥様とご一緒に喜ばれたかったことでしょう。そう出来なかった、日本社会の闇の部分こそが、日本経済の成長を引っ張っている元凶のような気がします。」
おいおい、ニコラ・テスラは死んでもまともに評価されてこなかったぞ?
生きているうちに間に合ったんだから、まだいい方なんじゃないの?
「これほどの実績を残し、これほどの天才を、「今まで」全然評価すらしてこなかったという現実もとらえたほうがいい気がします。」
……だから、マスコミの末席にいる人間がこういうこと書くなよ。
あなたは伝えたの?
研究って、ノーベル賞をとるためにやるの?
ノーベル賞って評価であって、結果ですらないんでしょう?
この人にとっての結果は、数億人を助けた医薬品の開発と、その特許料で研究所やら美術館を建てたってことではないの?
間違いなく、ノーベル賞なんておまけじゃん。
それに、今まで全然評価すらしてこなかったのは、ノーベル賞も同じでしょう?
日本だけの問題じゃないじゃん。
最後の最後で論点がすり替わってますよ。
「なぜ、これほどの天才が、謙虚に、控えめにしなければいけなかったのか。大村教授の奥様はもうお亡くなりになってしまっているとのこと。本来であれば、何十年も前に、奥様とご一緒に喜ばれたかったことでしょう。」
いやいや、何十億って特許料で、北里大学に研究室を、病院に美術館をぶち立てた人ですよ?
謙虚でも控えめでもないじゃん。
ただ、自分のお金の使い方がわかっていただけじゃん。
それに、人の生き死にの話をこうやって簡単に出して、中途半端に感情に訴えるのはどうなんですかね?
ノーベル賞受賞者が独身だったらどうするの?
親を出してくるの?
以上、印象と感情論でのツッコミでした。
最初にも書きましたが、概ねおっしゃっていることには納得できますので、はい。
(元記事)